資源循環の方法のひとつで、「創造的再利用」とも呼ばれる「アップサイクル」。大量生産・大量消費の現代の消費活動から、持続可能な循環社会への移行が求められている今だからこそ、注目されているキーワードだ。
世界のアップサイクル食品市場は、2021年に約537億米ドルに達しており、2022年から2029年の期間で年間約6.2%以上のペースで成長し続けると予測されている。特に、ドイツ、フランス、英国などサステナビリティに対する意識の高い地域では市場成長の急拡大が見込まれている。
近年、日本でもさまざまな企業がアップサイクルに取り組みはじめているなかで、「ザ・キャピトルホテル 東急」では出汁をとった後の昆布に一手間を加えて粉末にし、「SDGs 昆布パウダー」としてアップサイクルする取り組みを2023年5月より開始した。昆布パウダーには小麦粉やアルコールを使用していないため、小さな子供やアレルギー疾患を持つ人も安心して食べることができる。
この昆布パウダーは、同ホテルのイベントやウエディングのメイン料理に使用されており、6月からはレストランのメニューでも使いはじめたという。
ザ・キャピトルホテル 東急では、日本料理「水簾」、オールデイダイニング「ORIGAMI」、中国料理「星ヶ岡」といったホテル内の全てのレストランが「日本サステナブル・レストラン協会」に加盟。過去4回に渡り「食で地球の未来を拓く『サステナブル テーブル』持続可能な美食の探求」と題したイベントをシリーズ形式で開催するなど、食を通じたサステナブルな取り組みを継続的に発信している。同イベントのメニューでは、プラントベースフードやウェルビーイングに配慮された食材、食器をリサイクルして作られた肥料「BONEARTH(ボナース)」で育てられた野菜などを使用。さまざまな切り口から食を通じたサステナブルな取り組みを実践している。
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生活情報誌「オレンジページ」を発行する株式会社オレンジページが実施した2021年の調査では、「アップサイクル製品に興味がある」と答えた人は65.3%と半数以上にものぼる。また、さまざまなアップサイクル商品があるなかで、食品に関連する商品を試してみたいと感じている人が多い傾向も明らかになっている。
消費者の興味が高まる「アップサイクル」。ザ・キャピトルホテル 東急のように長期的かつ継続的に取り組みを行い、発信することで、ホテルのサステナブルな姿勢をお客さまに伝えることができるだろう。
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