「プラスチック資源循環法」施行まであと1ヶ月となった。政府が事業者に削減を求めるのはフォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー、ヘアブラシ、くし、カミソリ、シャワー用キャップ、歯ブラシ、ハンガー、衣類用カバーの12品目だ。プラスチック製のストローやスプーンに関する話題が多いなか、見落とされがちなのがカミソリ。これまでもtable sourceでは竹製のカミソリなど天然素材のカミソリを紹介してきたが、今回取り上げたいのは紙製のカミソリだ。

1908年創業の老舗刃物メーカー貝印株式会社は、ハンドルに紙、刃体(ヘッド部含む)に金属を使用した「紙カミソリ®」を2022年3月22日より、全国のローソン店舗で先行発売すると発表した。

【商品概要】
製品名   :紙カミソリ®
価格    :152円(税込)
本体サイズ :縦96mm×横41.6mm×厚さ17mm(組み立て後)
本体重量  :約4g

「紙カミソリ®」はハンドルに紙、刃体(ヘッド全体含む)に金属を使用することで、従来比98%のプラスチック削減を実現させた。ハンドル部分は板状からの組み立て式で、パッケージは約5mmと薄型。また、細菌の繁殖やサビの心配がなく、常に清潔に使用できるのも特徴だ。耐水性に優れた仕様のため、水や40℃程度のお湯に濡れても使用可能だという。

貝印株式会社は使い捨てカミソリの国内トップシェアを持つ刃物メーカーだ。同社は、エコな世の中の実現やSDGs達成に向けた社会機運の高まりを受け、老舗刃物メーカーとしての知見を活かした世界初の「紙カミソリ®」を開発した。「紙カミソリ®」は2021年4月22日に公式オンラインストア「KAIストア」にてテスト発売され、わずか3日で完売となった人気商品だ。公益財団法人日本デザイン振興会主催「2021年度グッドデザイン賞」など複数の賞も受賞している。

今後の展開としては、2022年9月以降は宿泊施設での取り扱いも予定しているという。組み立て前は厚さ約5mmと薄型なパッケージは、旅行者の持ち運びニーズに応えると同時に、宿泊施設でのストック場所も取らないというメリットがある。また、紙製のハンドルは、色やデザインを自由にレイアウトできるため、オリジナルカミソリの製作が可能。宿泊施設とってはサステナビリティとブランディング両方の実現が期待できる「紙カミソリ®」のこれからにも注目したい。

【参照サイト】プレスリリース|貝印株式会社

table source 編集部
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