エネルギー資源に乏しい日本。資源エネルギー庁の統計によると2010年に20.3%だった自給率は2018年には11.8%となっている。現在、化石燃料への依存度が85.5%となっているが、その92%を政情が不安定な中東から輸入している。安定したエネルギー供給が求められる中、注目が集まっているのが再生エネルギーや排エネルギーの有効活用だ。

2021年7月、山中温泉など3つの温泉郷がある石川県加賀市は、「カカオの森づくり」と題した計画において温泉の排熱を活用し、国産カカオを生産してチョコレートを製造・販売すると発表した。また、製造工程で出たカカオ豆の殻を原料として再生エネルギーであるバイオマス発電し、再びハウスの熱供給に活用するというサーキュラーエコノミーを描いている。市は東京大学、株式会社フェリシモ、バイオマス発電の助言などを行う株式会社DK-Powerの3社と、共同研究契約を結んだ。
栽培する場所は耕作地または耕作放棄地を予定している。

エネルギー枯渇問題や耕作放棄地の拡大などの社会課題にアプローチするこの取り組み。一方で農業の 6次産業化(例えば、カカオの森を新たな観光資源にするなど)、地方活性化などの側面も持つ。

地域の特性が最大の魅力である温泉地やリゾートホテル。その地で取れたサスティナブルな食品はセールスポイントとなるだろう。

【参照サイト】加賀市|プレスリリース
【参照サイト】熱の有効利用について|経済産業省
【参照サイト】2020—日本が抱えているエネルギー問題(前編)|経済産業省資源エネルギー庁
【参照サイト】温泉熱利用 事例集|環境省

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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆様に向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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