新型コロナウイルス蔓延により、レストラン業界は変化を求められている。飲食店は経営を維持しながら顧客に料理を提供するために、テイクアウトやデリバリーを導入する傾向にある。それに伴い、テイクアウト用容器の廃棄量が問題視され、より環境に配慮した容器を求める消費者の声も少なくない。
そんな中、米国ロサンゼルスに拠点を置く「JYBE」は、環境に配慮したテイクアウトやデリバリー用容器を使用しているレストランの評価を集約した初のウェブアプリを開発した。レストラン業界における使い捨てプラスチック問題の解決に貢献することを目的として、ロサンゼルスとサンフランシスコ湾岸地域でサービスを提供している。同社は、地球に優しいパッケージを積極的に採用しているサステナブルなレストランの評価や推薦をユーザーに提供するとともに、レストランや食品業界の専門家がより環境に配慮した容器を取り入れるサポートを行っている。
ユーザーは、アプリ内でレストランのテイクアウト用容器の写真をアップロードし、完全にリサイクル可能な容器、生分解性の容器、または再利用可能な容器を提供しているか、そしてプラスチック製の食器や発泡スチロールが含まれているかどうかなど、具体的な詳細を記入する。それらの投稿をもとに、分析結果と独自のサステナビリティスコアをアプリ上で表示し、地球に優しい選択をしているレストランであるかをわかりやすく伝え、環境に配慮した選択を啓発する。このサービスを通じて、同社は食事をする人とレストランを教育し、脱プラスチックの文化をもたらすことが目的である。
JYBEのサステナビリティ基準では、紙やアルミニウム、ガラス、そして竹などの自然素材といった特定のサステナブルな素材を推奨している。これらの素材を使用している場合にポイントが加算され、プラスチック、バイオプラスチック、発泡スチロールが使用されている場合は減点される仕組みになっている。これらの評価を受け、レストランが環境に配慮したコスト効率の高いパッケージを選択するために、同社は独自のショップを展開している。「JYBE Shop」では、カテゴリーと希望する商品を選択し、商品説明や代替品、コスト比較などの情報を確認した後、さまざまなサプライヤーから商品を購入することができる。
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他にも、同社はレストランや食品業界の専門家と提携し、エコガイダンス、エコ教育、持続可能なベンダーとのつながりを提供している。JYBEの「Provider Playbook」プログラムでは、より持続可能なパッケージの導入を検討しているレストランに、サステナビリティに関する情報提供のほかに、アルミや紙、その他の生分解性または再利用可能な素材で作られたパッケージ素材を含む、サステナビリティ・スターターキットを提供し、新たにエコ活動を始めるためのサポートを提供している。
今後は、米国の主要都市に展開し、レストラン業界における使い捨てプラスチックの削減という目標に向け加速していく。これらのようにサステナビリティへの関心が増えていく傾向がある近年、提供者のサービス内容を評価しながらも、消費者がより良い選択ができるよう支援するサービスが益々増えることに違いない。
【参照サイト】JYBE公式ホームページ