伊勢志摩リゾート

近年、新たな旅のトレンドとして、「エコツーリズム」や「サステナブルツーリズム」への関心が高まっている。Booking.comが実施した2024年の調査によると、世界の旅行者の75%(日本の旅行者では53%)が「今後12ヶ月以内に、よりサステナブルな旅行をしたい」と回答している。

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こうした消費者意識の変化に伴い、旅先での「食」そのものが、環境への配慮や社会的価値を体験するきっかけとなりつつある。今回は、三重県に拠点を置く伊勢志摩リゾートマネジメント株式会社が展開する、リゾートの枠を超えた「食と環境の循環」を推進する取り組みを紹介したい。

伊勢志摩リゾート

伊勢志摩リゾートマネジメント株式会社では、伊勢海老や鮑の殻など、同社が運営する施設で提供される料理に伴って生じる食品残渣を、伊勢市にある伊勢美し国醸造所「伊勢志摩ワイナリー」で堆肥化して、ブドウ栽培の肥料として再資源化している。

2025年5月9日には、新たに「鳥羽国際ホテル 潮路亭」の敷地内でのブドウ栽培のスタートを発表した。

伊勢海老や鮑の殻などの残渣を堆肥化して作られた肥料には、土壌の栄養バランスを整えるミネラルやカルシウムが豊富に含まれており、作物の健やかな生育を支える豊かな土壌づくりに最適だ。
また、ブドウ棚には「放置竹」を活用。竹は放置されることで周囲の樹木を圧迫し、生物多様性の低下や景観の悪化など、自然環境にさまざまな影響を及ぼすとされており、近年では放置竹の有効活用に対する関心と取り組みの重要性が高まっている。

ブドウはシャルドネをはじめ、赤ワインになるブドウなど、さまざまな品種を栽培。2026年には、この循環を通して出来上がったワインが誕生し、鳥羽国際ホテルのレストランで食事と一緒に提供できる見込みだという。

伊勢志摩食品残渣からワイン

同社では、今回紹介した食の循環の取り組みほかにも、さまざまな活動を行っている。たとえば、「NEMU RESORT」や「鳥羽国際ホテル」の敷地内にある海岸では、社員による定期的な清掃活動を実施。

また、自治体や民間企業、地元の学校などと連携し、食育や環境保全に関する授業、施設見学など、次世代教育にも貢献している。
こうした教育は、社内にも展開しており、2020年から毎年「SDGsアイデアコンテスト」を開催。コンテストでは、社員一人一人がSDGsを理解するために、各セクションで取り組んでいるそれぞれのSDGs活動報告をはじめ、各年度の新しい取り組みを発表しているという。

伊勢志摩食品残渣からワイン

「第5回 SDGsアイデアコンテスト 2024」の様子

お客さまは、「ワインを楽しむ」という体験を通じて、持続可能な食の循環について自然と理解を深めることができる。ホテルのサステナブルな姿勢や、ストーリー性のあるサービスとしての魅力も一層高まるだろう。
一つひとつ、食の循環を形にしていく「伊勢志摩リゾートマネジメント株式会社」の今後の挑戦にもぜひ期待したい。

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【参照サイト】伊勢志摩リゾートマネジメント株式会社
【参照サイト】「循環型食物連鎖」に挑戦!~伊勢海老の殻などの食品残渣からワインをつくる~

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