近年、将来的な食糧危機への不安が高まっている。国連による世界人口推計によると、世界の人口は2019年の77億人から2030年の85億人(10%増)へ、さらに2050年には97億人(同26%)、2100年には109億人(42%)へと増えることが予測されている。
加速を続ける人口増加に対応する新たな食材として、「昆虫食」への関心が高まっている。
世界の昆虫食市場に関する推計によると、2019年度には70億円であった市場規模は、2025年度には約14倍の1,000億円にまで増加することが見込まれている。
そうしたなか、日本航空株式会社(JAL)の子会社で、国際線中長距離格安航空サ―ビスを提供する「株式会社ZIPAIR Tokyo」は、2022年7月1日より食用コオロギを使用した機内食メニューの導入を開始した。機内食への食用コオロギの導入は国内初の事例だという。
今回、機内食メニューの食品原料に採用された「グリラスパウダー」は、食用コオロギの生産や商品開発・販売を行う「株式会社グリラス」の食用コオロギのパウダーだ。廃棄される食品を餌として育てた国産食用フタホシコオロギを粉末化している。煮干しや干しエビのような風味とうま味が特徴だという。またタンパク質の含有率が約76%と非常に高く、その他にもビオチンや葉酸、亜鉛、鉄分、カルシウムなどの栄養価も豊富だ。
この機内食メニューは、2022年7月1日より事前購入が開始され、「トマトチリバーガー」と「ペスカトーレ」の2種が、ZIPAIRの運航する国際線4路線にて搭載される。
昆虫は、タンパク質などの栄養素を豊富に含むこと、養殖に必要とされる土地や飼料が家畜などに比べ大幅に少なく環境負荷が小さいことから、人間にとって重要な食物になる可能性があると示唆されている。昆虫食というと、日本ではまだまだ受け入れ難い印象があるかもしれない。しかし、今回の機内食のメニューとしての導入をはじめ、日本国内においても新たな食文化として少しずつ浸透しつつあるのではないだろうか。
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【参照サイト】PRTIMES:国内初、食用コオロギを使用したメニューが機内食として搭載!「ZIPAIR」国際線4路線にコオロギパウダー使用の料理が登場
【参照サイト】PRTIMES:食用コオロギ国内生産量No.1のグリラスがコオロギを使用した食品原料の新ブランド「C. TRIA Originals(シートリアオリジナル)」を自社ECで展開