捨てられるブロッコリーの「葉」。IKEAスウェーデンでスープメニューとして活用

ブロッコリー 葉

食卓の彩りとして馴染み深いブロッコリーが、2026年4月に「指定野菜」に追加された。「指定野菜」とは、消費量が多い、もしくは多くなることが見込まれる野菜として農林水産省が定める野菜のこと。これまでブロッコリーは指定野菜に準ずる「特定野菜」に含まれていたが、栄養価の高さに加えて近年の出荷量の増加傾向が評価され、特定野菜入りを果たした。

今後、日本国内ではブロッコリーのさらなる安定供給を目指す動きが進展すると考えられる。そこで今回は、スウェーデンで行われているブロッコリーに関するサステナブルなプロジェクトに注目したい。

ブロッコリーは約20%の花蕾、30%の茎、50%の葉で構成される。しかし、スウェーデンで利用されているのはほぼ花蕾の部分であり、茎と葉のほとんどは畑に放置されているのが実情だ。

スウェーデン農業科学大学(SLU)によると、ブロッコリーの葉には食物繊維やビタミンC、ビタミンKが含まれており、花蕾より栄養価が高い場合もあるという。つまりブロッコリーの葉を廃棄することは栄養豊富な資源を無駄にしているのと同義であり、食料安全保障や健康促進といった社会課題の観点から見ても大きな損失といえる。

こうしたなか、スウェーデンの非営利団体「Axfoundation」では、従来廃棄されてきた野菜の一部を有効活用する「The Whole Plant project」に取り組んでいる。

ブロッコリー 葉

The Whole Plant projectでは、ブロッコリーの葉を洗浄、刻み、湯通し、冷凍するためのシンプルで経済的な方法を開発

同団体では「The Whole Plant project」の一環として、生産者から加工業者、卸売業者、食品会社に至るまでバリューチェーン全体にわたるパートナー企業と協力。スウェーデン農業科学大学が主導し、欧州農業農村開発基金(EIP-agri)の資金提供を受けた研究プロジェクト「スウェーデンにおける食料生産の増加 ― 副産物を活用した革新的な製品開発」に基づき、ブロッコリーの葉を有効活用する方法を開発した。

その成果のひとつが、IKEAスウェーデン全店で2026年1月末に数量限定で提供された、ブロッコリーの葉を使ったスープだ。製品開発にあたっては卸売業者の「Grönsakshallen Sorunda」の協力を得て、Axfoundationの開発センターであるTorsåker Farmにてパイロット試験を実施。ブロッコリーの葉は適切な味や色、食感を実現するために加熱処理され、付加価値のある商業食品へと生まれ変わった。スウェーデンIKEAでは、2026年の収穫期において、より多くの葉を活用することを目標としている。

ブロッコリー 葉

スウェーデン農業委員会によると、スウェーデンでは毎年2,800トンのブロッコリーが収穫されているという。「The Whole Plant project」を通じて上部の葉も収穫すれば、土地や水、農業資材を追加せずとも収穫量を倍増させることは十分可能だ。
また、スウェーデン農業科学大学の計算では、ブロッコリーをより多く利用することで食料1キログラムあたりの気候変動への影響を軽減できるとしている。

ブロッコリーが指定野菜に加わった今、その価値は改めて見直されている。今回紹介したスウェーデンでの取り組みにも見られるように、ブロッコリーを余すことなく活かす発想は、フードロスの削減と付加価値の創出を両立するヒントとなるのではないだろうか。

【関連記事】

廃棄されるカカオ果肉を活用。大手チョコメーカー、有名シェフ監修のレシピを無料公開

【参照サイト】指定野菜と特定野菜の違い!ブロッコリーは2026年指定野菜に|カゴメ株式会社
【参照サイト】ブロッコリーの指定野菜への追加について|農畜産業振興機構
【参照サイト】The Whole Plant – More Yield, More Food – Axfoundation
【参照サイト】Half of Sweden’s Broccoli Is Left in the Field – Now the Leaves Are Put to Use with IKEA – Axfoundation

table source 編集部
table source 編集部
table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
Share
This