最近、頻繁に目にするようになった「カーボンニュートラル」。カーボン(炭素)をニュートラル(ゼロ)にする、つまり温室効果ガスの排出を実質ゼロにするということ。2020年に菅元首相が2050年までにその実現を宣言したことで、国内でもよりその存在が認識されるようになった。

そうしたなか、水素エネルギー社会の普及啓発、水素調理器具の製造及び販売などを行う「株式会社H2&DX社会研究所」は、水素燃焼による専用調理機器を開発。2022年8月30日、事業者に向けて販売を開始したと発表した。環境負荷の少ない水素エネルギーを日常で使用可能にする、カーボンニュートラルの観点からも有意義な取り組みだ。

カーボンニュートラルはSDGsとも関わりが深く、達成のためにも環境に優しいエネルギーの活用は外せない。特に、エネルギーへのアクセス拡大・再生可能エネルギーの使用増大を推進する、7番目の目標「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」や、気候関連の危険や自然災害に対応できる力を各国が備えることを目指す、13番目の目標「気候変動に具体的な対策を」との関連性が高い。

さらにカーボンニュートラル達成のためには温室効果ガスの排出量の削減、並びに吸収作用の強化をする必要がある。2020年の梶山経済産業大臣の演説では「使えるものを最大限活用するとともに、水素など新たな選択肢も追求を」と、水素エネルギーについても触れている。

「株式会社H2&DX社会研究所」が進めてきたのは、世界初となる水素を活用した調理法の実証だ。実店舗でのサポート期間を経て独自のノウハウを蓄積し、今回の商品開発・販売へと辿りついた。

今回販売がスタートした水素調理器具は、二酸化炭素の発生なく水素を燃焼させ、肉や魚などの食材を調理する今までにない調理手法だ。
水素の最大の特徴は、燃焼温度が高く無臭であること。水素と空気中に存在する酸素が結合して水をつくることで、燃焼部周辺の湿度を引き上げる。そのため、食材本来の香りを保ちつつ外側はカリッと、内側はジューシーにという理想的な焼き上がりを実現することができるという。

近年、飲食店舗が日々排出している二酸化炭素量、特に厨房で使われているガスや電気などのエネルギーが問題視されている。飲食店が厨房エネルギーを改めて見直すことは、二酸化炭素削減のカギとなりそうだ。

環境負荷を抑えられるだけでなく、従来と変わらない美味しさを引き出す水素調理法。飲食事業者だけでなく、社会にとってもメリットの大きい調理方法だ。
当たり前のように使っている電気やガスの調理器だが、今後は水素調理器が選択肢のひとつに加わることになるかもしれない。

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【参照サイト】水素調理機器の開発完了および事業者向け販売を開始
【参照サイト】経済産業省:2050年カーボンニュートラルの実現に向けた検討
【参照サイト】内閣府:世論調査 脱炭素社会の実現に向けた取組
【参照サイト】環境省:脱炭素ポータル カーボンニュートラルとは

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