近年、“一つのものを大切に長く使う”という考え方のもと、リペアサービスやサブスクサービス、フリマサイトなどを活用している人が増えている。
株式会社博報堂が2021年1月に行った、生活者のサステナブル購買行動調査によると、「すぐに新品を買い直さず、まだ使えるものは修理して使う」と回答した人が75.9%にものぼった。他にも「長く使えるものを買う」と答えた人は90.3%、「不要になったがまだ使えるものは人にあげたり売ったりする」という回答も約6割にのぼる。

そうしたなか、京阪ホールディングスのグループ会社である株式会社ビオスタイルは、2021年11月に同社が運営するホテル「GOOD NATURE HOTEL KYOTO」の客室で使用している茶器に、日本の伝統的な技法である金継ぎを施す取り組みを開始したと発表した。
GOOD NATURE HOTEL KYOTOは心と体の心地よさを追求しつつ、地球環境にも配慮したライフスタイル体現型ホテルとして2019年12月にオープンしたホテル。
同ホテルでは今まで、茶器に欠けや割れが生じた際には、新品と交換していたという。しかし、金継ぎを施すことで、より長く使い続けられるとともに、金継ぎならではの風合いを楽しむことができることから、取り組みを開始した。

金継ぎとは、陶磁器の破損部分を漆で接着する縄文時代から受け継がれた日本の伝統的な修理法。割れや欠け、ひび割れした部分に金や銀などの粉をまく技法の確立は室町時代に茶道の世界で広まったとされている。茶の湯では、偶然のひびや傷に金継ぎすることで生まれた繕いを紋様と考え、茶碗に描かれた新たな景色に見立てて鑑賞した。

今回の取り組みでは、金継ぎを各地の重要文化財などの修復に携わる、職人の江藤雄造氏に依頼。茶器は、京都の伝統工芸品のひとつ、清水焼のブランド「TOKINOHA」のティーセットを使用しているという。

GOOD NATURE HOTEL KYOTO では、“ものを大事にしてありがたみを知る”姿勢をホテルの指針の一つとしている。金継ぎという目に見える修復方法を導入することで継ぎ跡を通して、お客さまにその姿勢を伝えることができそうだ。お客さま自身が手に取って使う客室備品だからこそ、サスティナビリティに取り組むホテル側の姿勢が伝わるものを選びたい。

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【参照サイト】 大切な茶器を直して長く使用するサステナブルなアクション ホテルで使用する茶器に「金継ぎ」を開始しました
【参照サイト】 博報堂「生活者のサステナブル購買行動調査」

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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆様に向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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