コロナ禍の影響を受け、大きく落ち込んだ飲食業界。2023年5月に5類感染症に移行したことで、最近では順調に回復傾向を見せている。
5類移行実施の直前に行われた消費者の購買意欲に関する調査では、「(1年前と比較して)購入金額が増えた/大幅に増えた」項目として、「レストラン」が上位にランクインしている。また、同調査では「サステナビリティに関して取り組みを行っている企業に対する意識」も調査されており、半数以上の回答者が「サステナビリティに取り組む企業を応援したい」と答えている。
こうした調査結果からは、「レストランのサステナビリティ実現」に対する消費者の期待がうかがえる。
そうしたなか、レストラン・カフェ・ホテル経営を行う「株式会社ひらまつ」が東京・代官山「リストランテASO」と「カフェ・ミケランジェロ」を2023年9月16日にリニューアルオープンすることを発表。お客さまへ豊かな時間を提供できる空間づくりに加え、サステナビリティに着目したレストラン・カフェの運営を行っていくという。
「リストランテASO」と「カフェ・ミケランジェロ」が目指すのは、ハレの⽇はもちろん、何気ない⽇常の中にも特別な思い出をつくれる場所であること。お客さまの⼀⽣に寄り添い、「お腹だけではなく、⼈⽣まで満たせる場所」でありたいという想いから、今回のリニューアルオープンに際し「⼈⽣を、満たす場所。」という新たなコンセプトを発表した。
リニューアルに際しては、特に「環境への貢献」「地域社会への貢献」「働きやすい環境づくり」に着目。これからの時代に即したレストラン・カフェへのアップデートを⾏い、持続可能な社会構築の貢献を目指すという。
環境への貢献
「環境への貢献」では、破損後も肥料としてリサイクルできることを目指すニッコー株式会社のニッコーファインボーンチャイナ製陶磁器を積極的に使用(全体の80%以上採用予定)することで、食器が廃棄されることなく循環する世の中の実現に貢献する。
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その他にも、計画的な仕入れや使い切りによるフードロスの削減、照明のLED化による消費エネルギーの削減、ワインなどのコルク回収やさとうきびストローの使用など、幅広い環境への取り組みを推進する予定だ。
地域社会への貢献
「地域社会への貢献」では、300年以上にわたり受け継がれてきた欅の木を守り続け、代官山の緑の維持に努めるほか、魅力的なレストラン・カフェであり続けることで、街のブランド価値の維持向上に貢献。さらには、地域の⽣産者と平等で公平な取引を行うことで、生産者の暮らし安定の貢献も目指す。
働きやすい環境づくり
また、ひらまつでは「リストランテASO」と「カフェ・ミケランジェロ」が「人生を、満たす場所。」として存在し続けるためには、そこで働くスタッフが働きやすい環境をつくることも重要と考えているという。
今回のリニューアルでは、すべてのスタッフが安全でより快適に働ける環境の整備はもちろん、夢や目標を実現できるキャリアパスを用意することで、一人ひとりの成長をサポート。スタッフ一人ひとりの生産性の向上とモチベーションアップにつなげることで、サービス品質を向上させ顧客満足度を高め、収益の拡大を目指す。
飲食店のサステナビリティというと、食品ロスやプラスチック削減など環境負荷の軽減を思い浮かべがちだが、今回発表された「リストランテASO」と「カフェ・ミケランジェロ」の取り組みは、環境への貢献のみにとどまらない、幅広いものだ。
こうした多角的な取り組みは、サステナブル意識の高い若年層を中心に幅広いお客さまの共感を得るものだろう。40年以上の歴史がありながらも、最前線でこれからの持続可能な飲食業界のあり方に向き合う同社の取り組みに、今後も注目したい。
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【参照サイト】 2023年度「国内消費者意識・購買行動調査」