2021年10月27日、ヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区は、サステナブルシーフードの調達推進に取り組む企業2社と「サステナブルシーフード調達を通じて持続可能性の向上を目指すための協働パートナーシップ」に関する覚書を締結したことを発表した。
今回、ヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区がパートナーシップを締結したのは、株式会社シーフードレガシーと、株式会社UMITO Partners。
シーフードレガシーは、MSC(海洋管理協議会)やASC(水産養殖管理協議会)の認証水産物や、漁業養殖産業改善プロジェクトによる水産物をヒルトンに紹介。また、ヒルトンが調達したい商品の情報などを、適切なサプライヤーに共有する。
UMITO Partnersは、ヒルトンやシーフードレガシーがサステナビリティの向上に取り組む漁業や養殖業などを訪問したい場合に協力を行い、生産現場の情勢や動向についての情報を共有する。
ヒルトンでは、2030年までに環境に対する影響を半減するという目標を掲げており、世界各地のホテルでさまざまな活動を行なっている。サステナブル・シーフードに関しては、2022年末までに「絶滅危惧種の調達廃止」「水産物調達量の25%以上をMSC・ASC認証商品とする」ことをあげている。それ以外の水産物についても、認証取得に向けて改善プロジェクトに取り組む供給元から調達をするという。
ヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区代表のティモシー・ソーパー氏はプレスリリースのなかで、「日本において、近年サステナブルシーフードの取り組みを強化しており、今年はヒルトン東京ベイでMSCおよびASCのCoC(Chain of Custody)認証も取得するなど、結果となって表れてきています。ヒルトン東京ベイのレストランをご利用されるお客様は、MSCあるいはASCのエコラベルが付いたメニューを選択するだけで、持続可能な漁業や養殖業を支援することができます。新たなパートナーであるシーフードレガシーとUMITO Partnersのご協力のもと、私たちの環境に配慮した活動は益々加速していくと確信しています」とコメントしている。
また、今回の覚書を締結した会場のであるヒルトン東京ベイでは、2021年10月26日と27日の2日にわたり、ヒルトン「F&Bマスターズ 2021」 日本決勝大会が開催された。
この大会の日本での開催は6回目。大会参加者は、ヒルトンの全チームメンバー(総料理長、料理長、ペイストリーシェフなど一部を除く従業員)で、料理・飲料の知識や技術、創造性を競う。大会は、サステナビリティをテーマとしており、可能な限りサステナブルシーフードを取り入れることが推奨されている。
今回3社が締結した覚書には、ヒルトンが主催するイベントの協力支援についての内容も含まれており、F&Bマスターズ 2021の参加者を対象に「サステナブル・シーフード・セミナー」が事前開催された。
このセミナーでは、世界の海の現状と懸念事項、サステナブル・シーフードの必要性、日本で流通しているサステナブルシーフードについての知識が共有されたという。
今回のヒルトンの発表からは、サステナブルな食材調達に加え、同社がいかに社内でのサステナビリティ教育を重要視しているかを感じさせる。組織の一人一人の意識の底上げによって生み出されるであろう、今後の新たな取り組みに期待したい。
【参照サイト】 ヒルトン、シーフードレガシー、UMITO Partnersが覚書締結
【参照サイト】 ヒルトン・ホテルズ&リゾーツ
【参照サイト】 MSC(海洋管理協議会)
【参照サイト】 ASC(水産養殖管理協議会)
【参照サイト】 漁業養殖産業改善プロジェクト