
「異彩を、放て。」をミッションに掲げる福祉実験ユニット、株式会社ヘラルボニーは2022年1月31日(異彩/イサイの日)に「ライフスタイルブランド」を立ち上げた。これにより自社ブランド「HERALBONY」の領域をファッションからライフスタイルへと拡張。国内の老舗3メーカーとコラボレーションし、ソファやスツール、クッション、ラグ、食器などの製品を新たに発表した。

ニッコー株式会社とのコラボレーションによる食器

長谷虎紡績株式会社とのコラボレーションによるマット

株式会社川島織物セルコンとのコラボレーションによるソファ、チェア、クッション
ヘラルボニーは日本全国の知的障害のある作家や福祉施設とアートのライセンス契約を結び、アートデータを軸に福祉領域の拡張を見据えた多様な事業を展開している。ブランド「HERALBONY」は、障害のある作家のアートをネクタイやハンカチや財布、ブラウスなどのアパレル用品をさまざまな企業とコラボレーションしながら制作・販売をおこなってきた。その背景には、「福祉」や「障害」という普段の生活で関わりを持ちづらい分野と一般的な生活者の間にある目に見えない境界線を無くし、福祉を起点に新たな文化や生活様式を創り出すという目的がある。今回、「ライフスタイルブランド」を立ち上げることでその領域を拡張するという。
さらに今回のプレスリリースでは、今春より「ハイアット セントリック 銀座 東京」の客室と「HERALBONY」の新製品がコラボレーションした宿泊プランを提供することも発表された。異彩のアートを客室のいたる所に起用した“異彩のアートルーム”を共同開発中だという。
なお、今回発表した商品や宿泊プランは、1月31〜3月30日までクラウドファンディングサービスMakuakeにて応援購入を募集している。支援金はライフスタイルブランドへの事業投資と運営費に充てる予定だという。
近年、ダイバーシティ(多様性)という言葉をよく目にする。日本では2000年に日経連が発表した報告書をきっかけにダイバーシティの認知度が徐々に向上している。報告書にはダイバーシティとは、「多様な人材を活かす戦略」、「企業の成長と個人のしあわせをもたらす」とある。ビジネスシーンにおいては多様性を認め合い、尊重することが重要視されている。一方で、違いを認識することで「普通」か「そうでない」かという意識が気付かぬうちに働いてしまうことがある。
ヘラルボニーの公式ホームページには、「“普通”ではないことは同時に可能性だ」とある。非常にポジティブな言葉だ。常に新たなことに挑戦し、異彩のアート同様、明るく前を向くヘラルボニーから目が離せない。
【関連記事】 インタビュー
【参照サイト】 ファッションブランド「HERALBONY」、衣・食・住を彩るライフスタイルブランドへ拡張
【参照サイト】 ヘラルボニー、異彩の作家、日本の職人が手がける新たなライフスタイルブランド
【参照サイト】 「日経連ダイバーシティ・ワーク・ルール研究会」報告書の概要/原点回帰―ダイバーシティ・マネジメントの方向性―