2015年9月に国際連合で採択されたSDGsのターゲットの1つに「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させること」が盛り込まれるなど、近年「食品ロス」への問題意識が国際的に高まっている。国内でも、農林水産省が2019年7月に公表した「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)の基本方針において、「食品関連事業者から発生する事業系食品ロスを2000年度比で2030年度までに半減させる」ことを目標にしている。一般家庭から発生する家庭系食品ロスについても「第四次循環型社会形成推進基本計画」において同様の目標設定が進められている。食品ロス削減が、国内外・業種問わず取り組んでいかなくてはいけない課題であることは明白だ。

そうしたなか、世界最大の検索エンジンを提供するGoogleは「食品ロスの削減」に焦点を当てた、新たなサスティナビリティ誓約を2022年3月7日に発表した。同社は、食材の調達や購買の見直しや、社内の厨房やカフェの改善、余分な食材の再利用などに取り組み、2025年までに、社員1人当たりの生ごみの量を半分に減らし、さらに生ごみの埋め立てをゼロにすることを目指しているという。

Googleのフードチームは、世界56カ国のスタッフへ毎日何十万食もの食事を提供しているという。そうしたなかで製造業者、加工業者、供給業者、流通業者と密接に連携し、食品ロス削減に取り組んでいる。例えば、形がいびつなニンジンや少し傷のあるリンゴなど、普通なら捨てられてしまう規格外の食材を農家から調達したり、加工工場で出た野菜の切り落としを使ってスープを作ったり、アップサイクル食品を作る企業から食材を購入したりといった取り組みだ。

また、サプライチェーンの透明性やトレーサビリティ、データの追跡を向上させるため、Google Cloud の技術を使用した調査・分析も実行中だ。調査・分析の結果は、必要とする人々に余剰食品を供給するなど、より良い活用に役立てられる。同時に、社内の厨房に食品廃棄物の自動追跡ツール「Leanpath」を導入。そのデータをもとに、シェフは食材の無駄が出ないよう調理方法や盛り付けを検討する。同社ではこうした取り組みを続けることで、フードシステム全体が自らの事業における食品廃棄物を削減することを目指しているという。

Googleは2014年に厨房の食品廃棄物の測定を開始して以来、これらの戦略によって厨房やカフェから出る約4,536トンの食品の廃棄を防いだことを明らかにしている。これは、大気中から約2万5,000トンの炭素を除去し、1年間にわたり約5,000台の自動車を使用しないことに相当するという。

また同時にサスティナビリティ誓約のなかで「Google社内だけでの取り組みだけでなく業界全体が協力して食品ロスを出さないためのソリューションを採用することで大きな効果が生まれます。私たちは、食品ロス削減の目標に向けて前進しながら、学んだことを業界の他の人々と共有し続けていきます。」と述べている。Googleのような誰もが知る大手企業が積極的に取り組む姿勢を示すことで、業界だけでなく消費者の意識の高まりも加速していくだろう。今後のGoogleのサステナブルな発信にも期待したい。

【参照サイト】 Google:Two new pledges to reduce food loss and waste at Google
【参照サイト】 農林水産省:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律

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