ビリー・アイリッシュとGoogleマップが協力し、持続可能なツアー参加を呼びかけ

google Billie Eilish

旅行には、観光や食事、アクティビティなどさまざまな醍醐味がある。一方で、大勢の観光客が押し寄せれば、環境が汚染されたり人々の生活が圧迫されたりするリスクも高まってしまう。

そうしたなか、世界中で注目を集めている旅のトレンドが「エコツーリズム」や「サステナブル・ツーリズム(持続可能な観光)」だ。エコツーリズムとは、地域の自然や文化を保全しながら、その魅力を観光客に伝えたり実際に体験したりしてもらうことで学びを深める仕組みを指す。

最近ではこうしたエコツーリズムを推奨する動きが盛んになっており、さまざまな旅行会社やホテルなどが、エコツーリズムに特化したプランを販売している。

そうしたなか、アメリカのポップスターであるBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)のサステナビリティに関する発信が注目を集めている。

ビリー・アイリッシュは2024年9月に始まったワールド・ツアー「Hit Me Hard And Soft: The Tour」で北米各地を巡り、オーストラリアやヨーロッパでも公演を行う予定だ。ツアーが開催される世界各国の都市には、彼女のファンが多く訪れるだろう。ただ、コンサートにおける二酸化炭素排出量の70%以上は来場者によるといわれており、環境に負荷をかける要因として見過ごせない。

そこで、ビリー・アイリッシュはGoogleマップと提携。主催者側からファンにサステナブルな選択肢を提供することで、持続可能なツアーのモデルケースを示している。今回、ツアーの期間中にGoogleマップを利用することで、誰もが環境に優しい交通手段や燃費の良いルートを見つけられるようになっている。

例えばルート案内では、徒歩や自転車、スクーターシェアリングなど、エコな移動手段のオプションを簡単に選択可能。また、車での移動ルートを探しているファンに対し、所要時間や利便性が車移動と同じくらいであれば、徒歩または公共交通機関を使用した場合のオプションが自動的に提案される。

あるいはルート案内で葉っぱのアイコンを探し、燃料やエネルギーの消費を抑えるように最適化されたルートを選ぶのも方法のひとつだ。

さらに、食事に関してもサステナブルな選択肢を用意。Googleマップでアトランタやボルチモア、シカゴ、デトロイト、ロサンゼルス、ミネアポリス、ナッシュビル、ニューヨーク、フィラデルフィア、ワシントン D.C.などのツアー都市を検索すれば、地元の植物由来の飲食店を見つけることができる。下にスクロールすると、「Billie’s Favorite Plant-Based Spots」として、ビリーの選んだ植物性由来の食事スポットが複数表示される。

彼女はGoogleのニュースリリースのなかで「これから数か月間、私のショーで皆さんにお会いできること、そして交通や食事に関して私たちが協力して環境負荷の削減に取り組むことをとても楽しみにしています」とコメント。
また、「規模の大小にかかわらず、すべての行動が重要であり、私たちは一緒になって美しい地球を本当に癒し始めることができます。Googleマップのおかげで、私のショーに来られた皆さんは、持続可能な素晴らしい選択をするのに役立つリソースに簡単にアクセスできます。」と語っている。

google Billie Eilish

世界最大級の宿泊予約サイト「Booking.com」が発表した2024年版「サステナブル・トラベル」に関する調査によると、世界の旅行者の75%が「今後12ヶ月間に、よりサステナブルな旅行をしたい」と回答したという。こうしたエコツーリズムのニーズを満たすためには、旅行とエシカルな消費行動を紐づける工夫が必要ではないだろうか。

ビリー・アイリッシュのツアーにおける取り組みは、会場内だけでなく、移動手段や食事の事情にまで視野を広げているところが特長だ。世界中で影響力を持つビリーの発信が、新たなスタンダードを築く可能性もありそうだ。

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2024年版「サステナブル・トラベル」に関する調査結果。ブッキング・ドットコムが公開

【参照サイト】Billie Eilish and Google Maps help fans travel sustainably
【参照サイト】SUSTAINABILITY – Billie Eilish | Store

table source 編集部
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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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