日本LCA学会によると、マイバックでの買い物回数が50回以上になって初めてレジ袋を使った買い物よりも環境負荷を下げられるという。タンブラーも同じことが言える。ペットボトルよりも環境負荷の低い素材でかつ耐久性のあるタンブラーでなければ本当の意味でペットボトルよりもサステナブルなプロダクトとは言えない。
今回紹介するのは、アサヒビール株式会社がパナソニック株式会社と共同で開発した「森のタンブラー」だ。セルロースファイバー(パルプ)、ヒノキなどの間伐材、アサヒビールモルトの麦芽副産物をそれぞれ原料に用いた3種類が展開されており、原料からサステナブルなタンブラーだ。洗って何度も使うことができるため、使い捨てプラスチックを使う機会が減り、廃棄物削減につながる。タンブラーを購入する際についてくる紙箱には、広島平和記念公園に届けられた「折り鶴」を再利用した社会貢献型素材「カラフルウィッシュ」が原料に用いられており、紙箱もサステナブルだ。
環境に優しいだけでなく、機能面も充実している。高い強度と耐熱性に優れ、マイナス20℃~約120℃の温度に耐えられる。食器洗い乾燥機にもかけられ、手入れが簡単だ。また、植物繊維由来の原料を用いており、表面に細かい凹凸があるため、森のタンブラーにビールを注ぐときめ細かでクリーミーな泡が立ち、ビールがおいしく飲めるという。
2020年度の「ソーシャルプロダクツ・アワード」で、生活者審査員賞を受賞した森のタンブラー。すでに展開されている3種類以外の原料から作ることも可能なほか、好きな内容でタンブラーに刻印加工を施すこともできる。さまざまなカスタマイズにより、ユーザーが愛着をもって長く使いたくなる一品になるに違いない。
【参照サイト】有機資源から生まれた『森のタンブラー』が「第7回ソーシャルプロダクツ・アワード2020」において「生活者審査員賞」を受賞!年度テーマ「プラスチックごみ問題解決」に貢献する製品として高評価