近年のICTの進展やスマートフォンの普及により、フリマアプリの利用する人が増えている。財務省の公開している2021年のデータによると、フリマアプリを頻繁に利用する若年層を中心にリユース品に対する抵抗のない人が増えており、20代から30代の人では半数近くが「中古製品を買うことに抵抗はない」と回答している。世界的に、大量生産・大量消費・大量廃棄の直線型経済から循環経済への転換が求められているなか、リユースはリサイクルより優先順位の高い取り組みとして、重要視されている。
そうしたなか、食器棚の食器100%稼働を目指した取り組みのひとつとして、リユース食器やサステナブルな商品の販売を行うイベント「FSPJ Table Market 2022」が3月21日に東京都港区六本木の会場で開催された。イベントの主催は食空間のスタイリングやコーディネートを行う「食空間プロジェクト株式会社」。同社が認定するテーブルコーディネーターによる販売の他にも、テーブルコーディネートレッスンやフラワーブーケ作りなどのワークショップや、テーブルディスプレイのデモンストレーションが行われた。
テーブルディスプレイでは、サステナブルな取り組みを行う老舗洋食器メーカー「ニッコー株式会社」の食器をはじめ、同社が提供する「NIKKO Sustainable Selection」のなかから、廃車の窓ガラスをアップサイクルしたグラスや、卵の殻から作られたコースター、サトウキビストロー、美濃焼のストローが使用された。
ディスプレイは「現代社会ゾーン」「サスティナブルゾーン」「持続可能な地球の未来ゾーン」の3つの構成で展示。主催者は「できることから取り組むことで、持続可能な美しい地球を取り戻していくストーリーをディスプレイで表現しました。テーマを持ってディスプレイをすることにより、サステナブルへの関心・興味を引き立てることができたと思います。」と振り返った。
イベントは、現地とオンラインでの同時開催で、当日はコーディネーターを中心に国内外から100名近くの人が参加したという。
食空間プロジェクトでは、SDGsに関する5つのコンセプトとして「器の知識と使い方をお伝えし、食器ロスを減らす」「食器棚100%稼働率を目指す」「三代続く器の紹介や観点をお届けする」「国産材の使用・自然素材・新素材等のEco食器を推奨」「生涯教育の機会や女性のエンパワーメント」を掲げ、テーブルコーディネートスクールの運営やセミナーの開催、WEBメディアの配信などさまざまな取り組みを通じて、持続可能なライフスタイルを提案している。
消費者の環境意識の高まりに伴い、リユース品やサステナブル商品に注目が集まっている。ただ単に商品を紹介するだけでなく、今回のイベントのようにスタイリッシュな見せ方やシーンを提案することで、消費者の意識や生活により定着していくのではないだろうか。今後、レストランやホテルでも、サステナブルな姿勢を汲んだ商品をどのようなシーンでどう見せるかがポイントになってくるかもしれない。
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【関連サイト】 ニッコー株式会社公式サイト
【参照サイト】 FSPJ Table Market 2022〜SDGsディスプレイショー
【参照サイト】 財務省:リユース市場における消費者の 価値観と企業行動