普段口にする料理や食品が、どれほどのCO2を排出して手元にやってきたかを気にしたことはあるだろうか。気候変動の大きな要因一つはCO2などの温室効果ガスの排出によるもの。Nature Food誌に掲載された研究によると、世界全体で排出されている温室効果ガスのうち、約34%が食品関連分野から排出されているという。
食品分野がCO2削減に対して積極的にならなければならないことは明白だ。そこで注目されているのが、製品のCO2排出量などの気候変動に対する影響度を示す「カーボンラベル」だ。
2021年8月にイギリスのFoodsteps社は、1,000種類以上の食材の環境影響などを示した同国初のデータベースを開発し、カーボンフットプリントを算出するサービスを開始した。このサービスは、料理や食品の環境負荷を計算し、カーボンラベルを発行してくれるものだ。サービスを利用する企業はCO2を排出するポイントを特定でき、消費者には気候変動に配慮した料理や食品であることを伝えることができる。
カーボンラベルはFoodstepsプラットフォームから直接ダウンロードして、製品パッケージやメニューに使用することができる。また、どのポイントでのCO2排出量が多いかなど環境負荷の要因を発見し、カーボンフットプリントを削減するためのアドバイスを得ることもできる。
健康意識の高まりから料理のメニューや食品のラベルにカロリーを表示することは、かなり浸透してきているといえる。また、「カーボンラベル」と似た用途の「カーボンフットプリント・マーク」を表示した食品を目にすることも少しずつではあるが増えてきた。レストランのメニューからもカーボンフットプリントがわかるようになれば、お客さまは環境にやさしい選択をするための情報を得ることができる。お店とお客さまのコミュニケーションを広げるきっかけになるかもしれない。
【参照サイト】Foodsteps
【参照サイト】How Foodsteps Is Making Carbon Labelled Restaurant Menus A Reality
【参照サイト】カーボンフットプリントの取り組み|日本ハム株式会社
【関連サイト】レストランがカーボンニュートラルに取り組むには?方法と事例をご紹介