
近年、世界中で健康や環境に配慮した食への意識が高まりつつあり、特にヨーロッパ諸国は一人一人の環境意識が高いことでも知られている。畜産業が与える環境への影響が大きいことなどから環境負荷の低い代替商品を開発・製造するスタートアップ企業も日々増えてきており、世界の食のサスティナビリティを牽引している存在だとも言える。
そうしたなか、2021年11年、欧州連合(EU)が支援するプロジェクト「Smart Protein Project」が「植物性食品に対する欧州の消費者の意識」についての調査結果を発表し、ヨーロッパの消費者の46%が肉を食べる量を減らしていることが明らかになった。
この調査は、Smart Protein Projectの一環として実施された世論調査で、国際的な食品啓発団体であるProVeg International社と、食品トレンド分析を行うInnova Market Insights社が実施。調査にはコペンハーゲン大学とゲント大学も調査に協力している。対象地域は、オーストリア、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ポーランド、ルーマニア、スペイン、イギリスのヨーロッパ10カ国で、7,500人以上が参加したという。
今回の結果で、回答者の46%がすでに肉の消費量を減らしていることに加え、40%弱が「将来的に減らす」ことを計画しているという。また、肉の摂取量を減らすだけでなく、ヨーロッパでは乳製品の摂取量を減らそうとする動きも高まっている。世論調査では、回答者の約3分の1が乳製品の摂取量を減らす予定であると回答した。
動物性食品の量を減らし、基本的に植物性食品を中心とした食事スタイルを選択している人は「フレキシタリアン」と呼ばれる。2019年の調査によると日本国内のフレキシタリアンは16.8%にのぼり、2017年から2019年の2年間で4.3%も増加している。今回紹介した調査にある“約50%”という結果はインパクトのある数字だが、日本がヨーロッパと同じ割合に達する日も、そう遠くはないのではないだろうか。
【参照サイト】 Nearly 50% of Europeans Are Eating Less Meat, New EU Survey Finds
【参照サイト】 Plant-based foods in Europe: What do consumers want?
【参照サイト】 ProVeg International
【参照サイト】 INNOVA MARKET INSIGHTS
【参照サイト】 日本のベジタリアン・ビーガン・フレキシタリアン人口調査 by Vegewel