食品ロス問題への認知度が高まると同時に、花を廃棄する「フラワーロス」問題にも注目が集まっている。
美しいのにも関わらず行き場を失い廃棄されてしまう花や、生産者から出荷される際、品質やサイズなどが規格外であることを理由に廃棄される花のことを指す、フラワーロス。
「花き」と呼ばれる切花や鉢花などの観賞用の植物の個人消費における市場規模は、年々減少傾向にある。農林水産省の2021年の発表によると、切り花1世帯あたりの購入額は1996年の13,130円をピークに徐々に減少し、2020年では8,152円にまで減少している。また、花き業界では生産者から流通、販売を経て消費者に届くまでの過程で、年間10億本の花が廃棄されており、その経済損失は年間で1,500億円と推計されている。
そうしたなか、「株式会社ethica」は、フラワーロス対象の花を100%使用したドライフラワー「エシカルフラワー」を2022年7月26日から9月9日まで、クラウンドファンディングMakuakeにて販売することを発表した。今回の取り組みは、フラワーロス削減のため労働過多になっている花き業界の構造や働き方改革にも繋がる取り組みだ。
同社の独自製法は通常のドライフラワーの製造工程と異なり、乾燥機による人工乾燥と自然乾燥を組み合わせることで、エシカルフラワーでしか表現出来ない色と質感を生み出すことができるという。
ホテルや飲食店においても欠かせない店内の花装。調達の際に、環境に配慮した販売店を選ぶことは、エシカル消費にも繋がる。
近年、サステナブルな取り組みを行うレストランへの評価が高まっており、世界で最も知られるグルメ基準のひとつ「ミシュランガイド」にも、2021年から〝ミシュラングリーンスター〟が新設されたことが話題になった。食材の調達だけでなく花の調達にもこだわることで、「サステナブルなお店」の実現にまた一歩近づきそうだ。
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【参照サイト】 農林水産省:花や緑の効用・家庭とオフィスへの導入状況に関する調査 調査報告書
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