世界が注目するサステナブルなスーパーフード。食用サボテンの国内での店頭販売が開始

食用サボテン

観賞植物のイメージがあるサボテンだが、なかには食べられる品種もある。実際に古くからメキシコ料理に使われており、中南米やアフリカ、中東地域で広く栽培されてきた。近年は、オーストラリアやヨーロッパでも人気が出ているという。

食用サボテンの代表例としてはウチワサボテンが挙げられ、主にその茎にあたるノパルと先端に生じる果実のトゥナが食べられている。コリコリとした食感やぬめり、酸味が感じられる味わいは、野菜に近いといえるだろう。
他の品種と比べて棘が少ない食用のウチワサボテンは扱いやすいうえ、成長が速い分、生産性も高い。また、野菜と果物の栄養素を併せ持つことから、さまざまな健康効果も期待されている。

食用サボテン

さらに、体内の水分消費量が少ないCAM型光合成を行うサボテンは、熱や乾燥に強いところも特長だ。つまり、通常であれば植物の生育に適さない環境下でも、農業の展開や地球温暖化の抑止に利用できる可能性が高い。2017年には国際連合食糧農業機関(FAO)が「ウチワサボテンが食料安全保障にとって重要な作物であり、食糧危機を救う作物になりうる」と宣言したことから、サステナブルな食の選択肢としてより一層注目を集めている。

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そうしたなか、長野県を中心に関東甲信・東海地方で小売店を50店舗以上運営する「綿半トレーディング株式会社」は、食用棘レスサボテンのブランド「SABOVEG(サボベジ)」を展開すると2025年8月に発表した。ブランド名の「SABO」はサボテン、「VEG」はベジタブルに由来し、「サボテンが、新しい野菜になる」というコンセプトにつながっている。

今回、「SABOVEG」では大きな棘を取った状態のウチワサボテンを用意。とげざ(棘座)と呼ばれる表面の黒っぽい点や小さな突起も下処理すれば取り除けるため、安心して調理できる。

販売対象となる店舗は一部地域の綿半スーパーセンターや綿半フレッシュマーケットで、売り場には試食コーナーを設けるという。また、“サボベジマイスター”監修によるレシピを配布するのも、食用サボテンに対するハードルを下げるのに有効なアイデアだろう。
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なお綿半トレーディング株式会社は、農林水産省が推進する「『知』の集積と活用の場®産学官連携協議会」の一員でもある。これは農林水産・食品の分野に異なる分野から幅広く知識や技術を導入することで、革新的な技術の開発や新規事業の創出を目指す取り組みだ。
協議会では、共通の研究課題に対して活動する研究開発プラットフォームを形成。そのなかで、同社は愛知県春日井市の中部大学が設立した「サボテン・多肉植物活用推進プラットフォーム」に加わり、サボテンの機能性や栽培方法に関する研究に協力している。春日井市は日本でも有数のサボテン生産地として知られており、産学連携による地域密着型のプラットフォームがサボテンの普及促進に果たす役割は大きいだろう。

食用サボテン

日本人にとって身近な植物であるサボテンも、食用としてはまだまだ物珍しい存在だといえる。レストランが食用のサボテンを食材として導入することで、お客さまに新鮮な驚きと体験を提供しつつ、サステナブルな姿勢を示すことができそうだ。

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【参照サイト】インタビュー/サボテンがもたらす持続可能性―地球温暖化防止や食糧危機に貢献【地球環境特集より】 | 日刊工業新聞 電子版
【参照サイト】「知」の集積と活用の場 産学官連携協議会
【参照サイト】春日井サボテンとは|春日井サボテン
【参照サイト】SABOVEG(サボベジ)|サボテンが、新しい野菜になる

table source 編集部
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