コーティングのない100%植物由来の紙容器。オーブンやフリーザーの使用も可能

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2018年に1本のストローがウミガメの鼻に刺さっている動画が拡散され、全世界に衝撃を与えた。以来、スターバックスやマクドナルド、ハイアットホテルなど、数多くの大企業が使い捨てプラスチックの削減に動きだしている。消費者の環境意識の高まりに伴い、コーヒー用のプラスチック製カップを紙製のものに置き換えたという飲食店やカフェも多いだろう。

日本でも、2022年4月にプラスチックの廃棄量削減と資源の循環を促すための法律「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環法)」が施行され、コーヒー用のプラスチック製カップを紙製のものに置き換えたという飲食店やカフェも多いだろう。

一方で、一般的な紙コップの内側には、防水層を作るためにプラスチック素材を薄くコーティングしているものが多い。2023年8月には環境科学分野の国際的な学術誌であるEnvironmental Pollutionで「プラスチックのコーティングが施された紙コップは、プラスチックカップと同様に環境に害を及ぼす可能性がある」という研究結果が発表された。

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そうしたなか「Ecoinno Japan株式会社」では、プラスチック系のコーティングがされておらず、昨今問題提起されているPFAS系の有毒なコーティングを使用していない、100%食物繊維素材でできた紙製容器「ecoinno®️(エコイノ)」の販売を行っている。

Ecoinno Japanの開発するecoinnoは、特許取得済みのセルロース素材「GCM®️」を使用し作られている。自然へ還る生分解性素材のため、生ごみなどと一緒に堆肥化することが可能だ。2021年から2022年にかけて行われた同社の実験によると、冬期でもおよそ120日で完全に土に戻ったという。

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生分解性実験

また、水分や油分、エタノールに耐性がある素材のため、プラスチック系原料のラミネートやコーティングを施していなくても、染み込みの心配がない。飲料をはじめ、汁気のある料理や揚げ物などにも問題なく使用することができる。

さらに、-196℃から200℃を超える耐熱性も持ち合わせており、紙容器にも関わらずオーブンや蒸し器での調理や、冷凍庫でのチルド貯蔵も可能。アイデア次第でさまざまなシーンで活用できそうだ。

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オーブンなどでの加熱調理が可能(左写真)で、チルド貯蔵(右写真)での提供が可能

2022年に開催されたFIA F1世界選手権シリーズHonda日本グランプリレースのイベントでは、会場で配布される各国報道陣やスタッフ用のお弁当容器や飲み物用のカップにecoinnoが採用された。使用済みの容器は回収され三重県内で堆肥化し地元農家で使用した。

また、独立行政法人「ジェトロ(日本貿易振興機構)」のイベントで提供されるビュッフェの容器としても採用。会場内には専用の回収ボックスが設置された。

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JETRO NETWORKING EVENT 会場の様子

近年、環境意識の高まりとともに「グリーンウォッシュ(グリーンウォッシング)」や「SDGsウォッシュ」という言葉を目にする機会が増えている。サステナビリティに関する取り組みに対する消費者の視線も厳しいものになりつつある。

プラスチック容器を廃止して紙コップに切り替える場合、その紙コップがコーティングも含めて本当に環境負荷の低いものかどうか、多角的な視点を持って吟味する必要がありそうだ。

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【参照サイト】 Ecoinno Japan

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