結婚式場やホテルのレストランでは、豪華なコース料理を味わえることが魅力のひとつだ。しかし、こうしたコースメニューで使用される高級食材のなかには、今後提供できなくなる可能性のある食材も少なくない。
例えばフォアグラは、アニマルウェルフェアの観点から生産方法が非人道的とみなされ、世界中でその生産や販売を禁止する動きが進んでいる。実際にフォアグラの生産を禁止しているイギリスでは、英国放送協会(BBC)が、2022年11月にチャールズ国王が全ての王宮でフォアグラの使用を禁止したと報じた。
また、キャビアはチョウザメの卵を原材料とするが、個体数の激減に伴い、27種のチョウザメすべてが国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに掲載されている。
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今後、フォアグラやキャビアのように人間の都合で動物を搾取して生産される食材には、代替品の開発促進が求められるだろう。
そうしたなか、フードテック企業の「株式会社Dr.Foods(ドクターフーズ)」が開発・販売する「ヴィーガン・フォアグラ」と「ヴィーガン・キャビア」が、結婚式場のコースメニューに採用されることが決定した。2種類の食材を使ったコースは、「株式会社日本セレモニー」が運営する「ノートルダム横浜みなとみらい」をはじめとした全国28施設の結婚式場やホテルレストランで、2023年9月1日より提供される。
株式会社Dr.Foodsは、フォアグラとキャビアの味わいを完全植物性で再現。動物性の原材料を一切使用しないことで、アニマルウェルフェアに貢献している。
こうしたサステナブルな食材が、結婚式のような晴れの日に提供されれば、末永い幸福を願う演出となるだろう。また、アニマルウェルフェアや環境保全を重視してヴィーガンを実践するカップルに向けて、新たな食の選択肢を提示できる。
飲食店やレストランにとって、高級食材の生産が制限されることは大きな問題だ。そこで、サステナブルな完全植物性の高級食材をメニューに取り入れ、動物の命を守りながら消費者の美食に対するニーズを満たしてはどうだろうか。
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