
持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標、SDGs(Sustainable Development Goals)。2015年に国連サミットで採択され、2030年までに目標を達成するよう定められた。
目標の達成とされる「2030年」は、気候変動をはじめ世界の抱えるさまざまな課題において、分岐点ともいえる年。近年ではさまざまな業界で、2030年に向けた課題解決の取り組みが行われている。
食の分野でも、気候変動が食料生産に及ぼす被害が拡大しており、飲食事業自体が生み出す温室効果ガスなどの環境負荷といった、フードシステム自体の課題も深刻化している。
そうした食に関する課題解決に向け、サステナブルなフードサービス実現のための飲食店レーティングプログラム「FOOD MADE GOOD」の展開を行っているのが、一般社団法人「日本サステイナブル・レストラン協会(SRA-J)」だ。
SRA-Jは、食のアカデミー賞と称される「世界のベストレストラン50」でサステナブル・レストラン賞の評価も行う英国本部と連携し、格付けやキャンペーンを実施。サプライヤーやレストラン、消費者コミュニティの構築を通して、フードシステムの課題解決に取り組み、食の持続可能性を推進している。
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2023年8月22日には、SDGsがターゲットとする2030年に向けた未来のレシピを考えるコンテスト「Creative Chefs Box 2030」の開催を発表。
第3回目となる今回は、これまでよりさらに若い30歳以下の調理師養成施設の学生(高等学校・短期大学・大学・専門学校など)・調理師・料理研究家など全国に門戸を広げ、食のサステナビリティで地域活性化するにはどうすればよいかの解決策として、未来のレシピを募集する。
レシピの公募は10月16日の世界食料デーに向けて、2023年9月16日から 9月30日まで行われる。
開催目的
- サステナビリティに関心のあるシェフを増やし、実践にもつなげること。
- 消費者のサステナブルな意識を深め、飲食店・レストランと消費者をつなげること。
公募期間とスケジュール
- レシピ公募期間:2023年9月16日〜 9月30日
- ファイナリスト発表:2023年10月16日(世界食料デー)
- 受賞者発表会:2023年10月24日(特設サイトZoomにて開催)
対象者
30歳以下の調理師養成施設の学生(高等学校・短期大学・大学・専門学校など)・調理師・料理研究家など(飲食店・宿泊施設に従事する料理人の他、出張料理人・料理研究家・調理学校講師なども含む)。
評価ポイント
テーマに沿っているかどうかと、以下のポイントにて評価する。
- サステナビリティ「変える力」:従来までの調理方法に対して、どのくらいサステナブルか。
- クリエイティビティ「伝える力」:ストーリー性、メッセージ性に優れているか。
- 見た目「魅了する力」:調理テクニックが伴っているか、盛り付けが魅力的か。
受賞者発表方法と表彰について
発表方法は、オンライン特設サイトにて行われ、3種類の優秀賞が設定されている。
- 最優秀賞:「2泊3日のサステナブルな食旅」1名
- 特別協賛賞:MATSURI賞1名、ごみの学校賞1名
- 審査員賞:各審査員から1名
詳しい募集概要は公式サイト参照
こうしたコンテストに応募することで、自身の考え方や取り組みへの客観的な評価を受けることができる。コンテストにチャレンジし、何らかの賞を受賞し公表することで、取り組みの信憑性や説得力が増すだけでなく、他の応募者の取り組みを知る機会にもなる。また、例え受賞を逃したとしても、コンテストに参加することにより、業界内やサステナビリティ分野でのネットワークの拡大も期待できるだろう。
サステナブルな飲食店づくりの第一歩として、または集大成として、こうしたコンテストにチャレンジしてみてはいかがだろうか。
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