新型コロナウイルス感染症の流行により、ホテルの稼働率が著しく低下している状況が続いている。世界旅行ツーリズム協議会の「エコノミック・インパクト・リポート2020」によると、コロナ禍以前の世界の観光関連従事者は10人に1人であり約3億3000万人にのぼるという。世界のGDPのうち約10.3%を占め、経済の重要な役割を担っていた観光業だが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い各国の往来がなくなったことにより、観光地におけるオーバーツーリズムがもたらす環境への影響が世界各国で浮き彫りとなった。インドでは交通量が減少したことによる大気汚染物質の排出量が減少し、封鎖措置が敷かれたイタリアのヴェネチアは運河の水質が改善したことは話題になった。

そうしたなか、株式会社エイチ・アイ・エスのアメリカ現地法人H.I.S. International Tours (NY) Inc. (以下:HISアメリカ法人) は、2021年9月16日にサステナブルツーリズムを推進するための新ブランド「Copolo」を立ち上げ、アメリカ、カナダ在住者に向けた旅行予約オンラインサイトを開始した。

Copoloは、予約時に旅行者自身の意思で、環境に配慮した旅の仕方を選択できる予約オンラインサイトだ。気候変動対策のスタートアップ企業であるCHOOOSE™(本社:ノルウェー オスロ )と提携することで、旅行者が自身の旅行により排出される二酸化炭素をフライト・ホテル・レンタカーごとに計算することができるようになっている。また、算出されたカーボンオフセット料金は、CHOOOSE™を通じ、二酸化炭素の排出を削減、捕捉、または回避するプロジェクトの支援に充当される。

コロナ禍で大きなダメージを受けている観光業だが、その一方で業界が環境に与える負荷を考える機会にもなったといえる。全体の経済成長率に比べ、観光業の成長率は早い傾向にあるため、この間に消費者の環境への意識の変化を捉え、対策を講じることが重要だ。

【参照サイト】HISアメリカ法人 サステナブルツーリズムの新ブランド「Copolo」始動
【参照サイト】Copolo

table source 編集部
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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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