コーヒー アップサイクル

コーヒー2050問題」という言葉を目にしたことはあるだろうか。飲食店にとって切っても切り離せない“美味しいコーヒー”が、気候変動をはじめとするさまざまな問題によって将来は気軽に飲めなくなる可能性がある。

この、コーヒー2050年問題の解決に向けて飲食店ができることとしては、フェアトレードなどの認証を取得しているサステナブルなコーヒーを調達することや生産者との売買契約サービスを利用するなどといった方法がある。

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コーヒー アップサイクル

また、「アップサイクル商品」を食材やお店の備品として取り入れるのも、ファーストステップとして取り組みやすい方法かもしれない。こうしたアップサイクルでコーヒーのサステナビリティ向上を目指しているのが「UP COFFEE CHALLENGE」プロジェクトだ。2024年1月15日、プロジェクト運営する株式会社コルは、コーヒー豆かすの循環モデル作りに向けて「循環サポーター制度」を開始した。

コーヒー アップサイクル

このサポーター制度では、まずUP COFFEE CHALLENGEにサポーターとして参加するカフェで発生したコーヒー豆かすを、アップサイクルパートナーがアップサイクル。アップサイクルされた商品をサポーターであるカフェなどの飲食店の店頭で販売し、お客さまに応援購入してもらうという形でコーヒー豆かすを捨てずに有効活用していくことを目指す試みだ。

UP COFFEE CHALLENGE では現在「Caféサポーター」を募集中(2024年2月時点)。サポーター制度のスタートにあたり、制度の運用安定を優先して当面は店舗数の上限を設定している。なお、2月8日時点で15店舗からの申し込みがあり、申込枠を20店舗に増やして募集を継続しているという。
【応募窓口】 UP COFFEE CHALLENGE「お問い合わせ」ページ

 

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今回、サポーター制度の開始にあたり、「Cafeサポーター」第1号店として神奈川県の真鶴町にある「ぺぺコーヒー」の参加が決まった。ぺぺコーヒーでは、「真鶴ブレンド」を淹れた後のコーヒー豆かすをアップサイクルして作られたコーヒー豆デザインのキーホルダーを、1月15日からレジ横スペースで販売している。

真鶴ブレンドは、希少価値の高い東ティモールの豆とブラジルの豆を配合したオリジナルブレンドで、真鶴町の豊かな自然をイメージしたコク深く、後味はフルーティーな仕上がり。オーナーバリスタの松木氏が、フェアトレードの東ティモール産オーガニックスペシャルティコーヒーである「PEACE COFFEE(ピースコーヒー)」を使用して、「生産者から消費者まですべての方が潤い、生活をおくるうえでの豊かさを感じていただけるように」と願いを込めて考案したブレンドだという。

コーヒー アップサイクル

UP COFFEE CHALLENGEでは、コーヒー豆かすを新たな商品としてアップサイクルするという循環モデルから開始し、将来的にはコーヒー豆かすを燃料や肥料として利用し、焙煎されたコーヒー豆や栽培された野菜・果物を循環させるというモデルに発展させることを目指している。

今回紹介したキーホルダーの他にも、抽出後のコーヒーかすや、生産国で大部分が捨てられてしまっているコーヒーチェリーの果皮(カスカラ)を有効活用したさまざまなアップサイクル商品を展開しており、そのラインナップは現在も拡大中だ。

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こうしたアップサイクル商品を取り入れることで、サーキュラーエコノミー(循環型社会)の実現に貢献できる上、お客さまとの新たな会話が生まれるきっかけにもなりそうだ。

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「コーヒー2050年問題」の解決に向けて、飲食店ができること


【参照サイト】 コーヒー豆かすの循環モデル作りに向けて Cafeサポーターを募集

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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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