大手メキシカンチェーンChipotle、持続可能な農業を支援する短編アニメを公開

チポトレ

近年、持続可能な農業への関心が高まっている。持続可能な農業とは、環境に負荷をかけない手法でより豊かな土地を育て、生産者が将来にわたって適切な生活を営めるようにすることだ。例えば、環境面では土壌の改善や水の保全、社会経済面では労働者の所得向上や権利の保証などが必要な対策として挙げられる。

そうしたなか、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、クウェート、アラブ首長国連邦に約3,700店以上を展開する大手メキシコ料理のレストランチェーン「Chipotle Mexican Grill(チポトレ・メキシカン・グリル)」が、持続可能な農業のあり方を社会に浸透させるべく取り組んでいる。

同社は2025年2月、持続可能な農業の実践とその重要性を紹介する短編アニメーション「Unfolded」をメタバースプラットフォームのRoblox上で初公開した。レストランブランドがメタバースでテレビ広告を発表するのは、初めての試みだという。グラミー賞にノミネートされたシンガーソングライターのHalseyがカバーした楽曲「She’s a Rainbow」を使用しているところも、視聴者の興味を引くポイントだ。

「Unfolded」では、工業農場が多種多様な有機農作物を栽培する活気に満ちた複合農業に変貌していく様子を描いた。また、農業と太陽エネルギー生産の両方から土地を利用するアグリボルタイクスについても取り上げている。映像の内容は、これまでChipotle Mexican Grillが持続可能な農業を優先する農家を支援してきた姿勢の象徴といえるだろう。

さらに、Chipotle Mexican Grillは短編アニメーション公開と連動して、アメリカの主要大学4校に200万ドルを寄付すると発表。オハイオ州立大学、カリフォルニア州立大学モントレーベイ校、コロラド州立大学、フロリダ大学において、農業研究の推進や学生の支援に充てられる。資金は、トラクター飲料の売上の5%を寄付するという同社の取り組みから調達するという。

hipotle Mexican Grillは、農業の未来を支援するため、2021年に「2025年末までに500万ドルを寄付する」という計画を発表しており、今回の取り組みもその一環だ。こうした寄付活動を通じて次世代の農家を育成するとともに、持続可能な農業プロジェクトをサポートしていきたいとしている。

チポトレ

今や、YouTubeなどの動画配信は消費者にとって重要な情報源となっており、その影響は無視できない。2025年2月から3月にかけて行われた最新の調査によると、YouTubeの広告動画を見て商品やサービスを「購入・利用したことがある」と回答したのは13.9%だった。そのうちの71.3%が「YouTubeの広告動画を見なかったら、その商品やサービスは購入・利用しなかったと思う」」と回答した。広告動画は視聴者の購買意欲に一定の影響を与えるといえるだろう。

チポトレのように、「持続可能な農業」に対する自社の姿勢をアニメーションで発信することで、より多くの人に分かりやすく伝えられ、幅広い層にリーチできる。企業の取り組みへの共感が生まれ、ブランドロイヤルティの向上にもつながるのでないだろうか。

【参照サイト】CHIPOTLE PREMIERES “UNFOLDED” – AN ANIMATED SHORT FILM FEATURING A COVER BY HALSEY ALONGSIDE $2 MILLION DONATION TO SUPPORT SUSTAINABLE AG –
【参照サイト】持続可能な農業とは何か? | Rainforest Alliance
【参照サイト】【YouTube利用者に聞いた】13.9%が、YouTubeの広告動画を見て商品やサービスを「購入・利用したことがある」
【参照サイト】Chipotle returns to its roots with a new short film focused on sustainable agriculture

table source 編集部
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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆さまに向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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