未利用魚や駆除動物を活用したケータリング。イベント会場との提携をスタート

世界では飢餓や貧困を引き起こす食料問題が深刻化する一方で、大量の食品ロスが発生しているのも事実だ。本来食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう食品ロスによって、環境にかかる負荷も大きい。そのため、SDGsの目標である「つくる責任 つかう責任」において、食品ロスの削減が掲げられている。

農林水産省によると、2020年度の日本の年間食品ロス量は約522万トンだったという。食品ロスのなかには、規格外の野菜や漁獲されても市場に流通しない未利用魚なども含まれる。こうした食品ロスを減らすためには、企業と生産者が協力し、廃棄されている食材を有効活用する工夫が必要ではないだろうか。

企業による食品ロス対策のひとつとして、ケータリング事業を展開する「株式会社CRAZY KITCHEN(クレイジーキッチン)」は、食品ロスや環境保全に配慮したケータリングサービス「サステナブルコレクション」の提供を、「東京ポートシティ竹芝 ポートホール/ポートスタジオ」にて2023年3月より開始した。

株式会社CRAZY KITCHENは「オイシックス・ラ・大地株式会社」の子会社。「サステナブルコレクション」では一般の市場で販売されずに廃棄されてしまう未利用魚や駆除された動物を料理に活用し、サステナブルなケータリング2019年より展開している。

また、イベントスペースを運営する東京ポートシティ竹芝では、かねてからイベントで使用される電気を再生可能エネルギーに置き換えて、 排出されるCO2を実質ゼロにする取り組みや、ペットボトルをリサイクル率の高いアルミ缶に置き換えて、プラスチックの削減をするなど、環境に配慮したイベントづくりを行っている。

こうした双方の理念や事業内容に共感することで、今回の会場提携が決まった。

サステナブルコレクション

ー メニュー内容
・ヒオウギ貝と八幡平マッシュルームのサラダ
・シロチョウザメのカダイフ揚げ
・ 棚田米と銀鮭手まり寿司(またはご飯)
・ダチョウのタルタル
・イノシシのグリル
・アマゾンカカオのテリーヌ

ー サービス詳細
価格:フィンガーフードプラン:8,800円(税込)
大皿プラン9,350円(税込)
※ 上記金額には右記が含まれる。(食器レンタル費、サービススタッフ人件費、運搬・設営・撤収費、ゴミ引取費)

※ 30名以上からの受付で、配膳サービスは2.5時間制。延長の場合、別途料金が必要。

 

「サステナブルコレクション」には、メイン料理からデザートに至るまで、人と環境に優しいメニューが並ぶ。例えば、サラダには真珠養殖の副産物であるヒオウギ貝を使用。さらに、害獣として捕獲されたイノシシの肉やフェアトレードのアマゾンカカオなど、めずらしい食材をケータリング料理で味わうことができる。

イベントやパーティーで重宝されるケータリングサービスでは、食材の調達方法や食品ロス量が課題となりやすい。そこで、廃棄される食材を上手く活用すれば、食品ロスの削減に貢献できる。最近では、ケータリングで使用する取り皿のサブスクリプションサービスも登場しており、そうしたサービスを合わせて導入するのも良いかもしれない。

イベント開催者はサステナブルなケータリングサービスを通して消費者に食品ロス問題の周知と解決を促すことで、イベントの価値を高めることができそうだ。

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【参照サイト】 農林水産省:食品ロス及びリサイクルをめぐる情勢
【参照サイト】 フードロスや環境保全に配慮したケータリング「サステナブルコレクション」を東京ポートシティ竹芝 ポートホール/ポートスタジオで提供開始

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table source 編集部では、サステナビリティやサーキュラーエコノミー(循環経済)に取り組みたいレストランやホテル、食にまつわるお仕事をされている皆様に向けて、国内外の最新ニュース、コラム、インタビュー取材記事などを発信しています。
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