季節行事に欠かせないクリスマスケーキやおせち、恵方巻き。当日しか食べられないため、食品ロスに繋がりやすいことが問題視されていた。近年では、農林水産省の呼びかけなどにより予約販売を受け付けることで廃棄は削減してきているものの、機会損失を起こさないために当日販売を続ける事業者も多い。
こうした季節商品の食品ロス問題に対策を講じたのがフードシェアリングサービス「TABETE(タベテ)」を展開する株式会社コークッキングだ。同社は2021年12月20日から「クリスマスレスキュー大作戦2021」を実施。クリスマス後に発生してしまうケーキなどの食品ロス削減に取り組んだ結果、25日から29日の5日間で、総額20万円以上、120個以上のケーキ類の食品ロス削減に成功した。
TABETEは、パン屋を始めとする中食・飲食店舗で、まだおいしく安全に食べられるのに売れ残ってしまった食材を、ユーザーとマッチングすることで廃棄から救う「フードシェアリングサービス」だ。例年、季節商品のレスキュー需要は店舗側・ユーザー側双方からあったものの、TABETEの出品価格上限により出品できない商品も存在していた。今回、昨年からの新型コロナウィルスの感染拡大による需要の不安定さが拍車をかけ、期間を限定して出品価格の上限を上げることでプロジェクト実施に至った。
ホールケーキやブッシュドノエルなどの大型ケーキは予約前提の製造がある一方、カットケーキは当日購入に備えての製造が多い傾向にあるという。そのため、ケーキ類の出品傾向はカットケーキが約55%と過半数を占める結果となった。
クリスマスケーキやおせちに続き、節分の恵方巻きやバレンタインチョコレート、ホワイトデーのお菓子など、季節のイベントに食品はつきものだ。全予約制にすることで売れ残りを防ぐことは可能かもしれない。全てを予約制にするのが難しい場合は、フードシェアリングサービスやフードバンクを利用するなど、廃棄を出さない対策を事前に考えておく必要があるといえる。