森林資源が豊富な日本では、間伐や伐採が定期的に行われている。しかし、海外産の安価な建材に市場を奪われたことで国産材の需要は伸び悩み、伐採した木材を十分に活用できる場が限られていることが課題となっている。こうした状況は、地域の林業や木材産業の循環が十分に機能していない現状を示しているともいえる。
国産木材に再び競争力を与える取り組みが必要とされるなか、滋賀県発のスタートアップ「株式会社ベホマル」は2026年2月26日、「株式会社エスウッド」「株式会社桑原組」「株式会社内藤建築事務所」と4社共同で、CO2を吸収・固定する新しい国産木質建材「DACストランドボード」の商品化を発表した。

株式会社ベホマルでは、「日常をCO2回収スポットに」を掲げ、素材技術を通じて日常生活の中で誰もが炭素除去出来る社会を目指しており、バイオマス由来のCO2吸収素材「美環®(びのわ)」の開発・製造・販売を行っている。
今回商品化した「DACストランドボード」は、従来のストランドボードにCO2吸収素材「美環®」を組み合わせることで、建築後も常温環境で吸収し続けるという、従来の建材にはない機能を持つ国産の木質建材だ。
一般的なストランドボードと同等の強度・加工性を保ち、従来の製造工程をほとんど変えることなくCO2吸収機能を付与できることが確認されている。また、地域の間伐材を基材に使用することで森林整備に貢献できるうえ、廃棄する際は粉砕して再利用したり、土壌に還元することができる。
仮に一般的な会議室(約30㎡規模)の壁面にDACストランドボードを全面施工した場合、使用枚数は約20枚。素材内部に固定される炭素量は合計で約320kg-CO2に達し、これは成長中のスギ約20本が1年間に吸収する量(林野庁データ換算)に相当するという。

今回商品化したDACストランドボードは、研究開発型スタートアップである株式会社ベホマルを中心に、製造・設計・施工の各分野で地域企業が連携したオープンイノベーション体制によって生まれた。素材メーカー単独では実現できない社会実装を、地域の製造・設計・施工の力と結び合わせることで可能にしている。
- 素材開発・技術提供:株式会社ベホマル(滋賀県)
- 建材製造・販売:株式会社エスウッド(岐阜県)
- 設計連携協力:株式会社内藤建築事務所(京都府)
- 施工連携:株式会社桑原組(滋賀県)

(左)福井市至民中学校(右)みんなの森 ぎふメディアコスモス(岐阜市立図書館)、いずれもエスウッド株式会社施工
現在、公共・民間のあらゆる建築分野での活用を目指し、施工・展示・実証フィールドとして協働する施設・企業・自治体を募集中だ。今後は、地域ごとに異なる木材特性を活かしながら、CO2吸収技術を組み込んだ、サステナブルなご当地建材を生み出す構想もあるという。
ホテルや飲食店でも、内装や家具にこうした建材を用いることで、森林の健全な循環や放置林の課題解決に貢献することができるだろう。




















































