ニッコー ボナースファーム

今までの経済モデルにおいて廃棄されていたものを、価値ある資源として捉え直し、再び生産のプロセスに戻すことで資源を循環させ、環境負荷を増やすことなく経済成長を実現しようというCircular Economy(サーキュラーエコノミー)」の取り組み。日本語では「循環経済」と訳される。

EUでは2015年の12月に採択した政策「サーキュラーエコノミーパッケージ」を軸とし、持続可能な経済成長や雇用創出など、EU共通の枠組み構築を発表した。こうした動きの背景には、資源枯渇、廃棄物量の増加などに起因する環境問題が、世界各地で深刻化していることがある。

サーキュラーエコノミー

今、世界では従来の大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済活動から、サーキュラーエコノミーへの移行を中長期的に進めていくことが不可欠だと考えられている。

日本でも徐々にサーキュラーエコノミー実現の重要性が浸透しつつあるなか、1908年創業の老舗洋食器メーカー「ニッコー株式会社」では、⾷器の循環に取り組むことで、業界全体の変⾰を目指している。

同社では、長く使用できる良質な食器づくりをはじめ、リカラーによる食器の再生、食器のサブスクリプションサービスなど、サーキュラーエコノミーの原則に基づくさまざまな取り組みを行っており、2022年3月には捨てられる食器をリサイクルした肥料「BONEARTH(ボナース)」を商品化。石川県の本社敷地内にあるビニールハウスでBONEARTHを使った栽培研究を行っている。

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ニッコー ボナースファーム

2023年5月13日には、石川県内の農場をお借りし野菜やお米を育てる「NIKKO BONEARTH FARM(ニッコー ボナース ファーム)」を立ち上げ、苗植え体験イベント開催した。

イベント当日は、約20名の社員やその家族が参加。石川県白山市でお米や野菜の栽培を行う「株式会社グリーンサポート出村」の協力のもと、水を撒くためのホースを張ったり、マルチシートと呼ばれる栽培用のビニールシートをかけたりといった下準備から参加者の手で行なった。その後、BONEARTHを撒きながらナスやミニトマト、ピーマン、かぼちゃなどを苗植え。じゃがいもの植え付けも行なった。

ニッコー ボナースファーム

白い粉がBONEARTH(ボナース)

BONEARTHは実験の結果、植物が自らの力で根から出すクエン酸の効果により、適量のリン酸を養分として吸収することがわかっている。万が一入れすぎたとしても、成長の妨げになる心配がなく、植物に安定して継続的に養分を与えることができる。さらには、食品衛生法に則って製造された食器を砕いて作られているため衛生的。農業に対する知識のない人や小さな子供でも安心して栽培体験を行うことができる。

参加者からは「同じ会社でも日頃の業務であまり関わることのない他の事業部や部署の人たちと一緒に作業でき、社内交流の良い機会になった。」「日頃は野菜が苦手な子供も、自分が植えた野菜を食べてみたいと楽しみにしている。」「サステナブルな取り組みに参加できたことが嬉しい。」とさまざまな感想を聞くことができた。

ニッコー ボナースファーム

BONEARTH(ボナース)の開発は、「一つ一つ丁寧に作っているニッコー食器を、食器としての役目を終えた後も廃棄せずに、新たな形で活用したい。」という社員の想いから誕生した。

サーキュラーエコノミーは一人や一社だけでは実現できるものではなく、より多くの人々を巻き込むことが不可欠だ。そのためには、自社の社員の共感を得ることがとても重要な第一歩になるはずだ。今回紹介したニッコー株式会社のイベントのように、実際の体験を通して会社の姿勢を伝えることで、社員やその身近な人たちがサーキュラ―エコノミーについて考えるきっかけになりそうだ。

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【参照サイト】 【イベントレポ】ボナースファーム-第1弾-苗植え体験イベント開催!/ 食器から生まれた肥料「ボナース」

table source 編集部
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