今や観光業において、サステナビリティを重視する視点は欠かせなくなってきている。
「Booking.com」が世界34か国と地域の旅行者を対象に実施した2025年版の「サステナブル&トラベル」に関する調査によると、世界の旅行者の93%および日本の旅行者の85%が「旅行に関してよりサステナブルな選択をしたい」と回答。さらに、世界の旅行者の73%および日本の旅行者の63%が「使ったお金が地域コミュニティに還元されるようにしてほしい」と回答しており、単なる趣味や娯楽ではなく、持続可能な体験としての旅行に関心が高まっていることが分かる。

そうしたなか、日本全国にホテルを展開する「森トラスト・ホテルズ&リゾーツ株式会社」は、サステナビリティ活動の一環としてESGに関する国際的な認証制度である「Sakura Quality An ESG Practice」の取得を推進している。ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)を考慮した投資活動や経営・事業活動のこと。SDGsの目標達成に関わる要素と位置づけられ、近年は企業の経営方針にも導入されている。
「Sakura Quality An ESG Practice」は、宿泊施設における日々のSDGsへの取り組みレベルを維持・向上させることを目指して「株式会社サクラクオリティマネジメント」が開発した日本発のESG認証だ。SDGsの17のゴールに基づいた172項目で構成され、観光事業における持続可能性や地域貢献、環境配慮、従業員との健全な関係構築などを総合的に評価する。
その基準は、持続可能な国際基準を策定・管理するアメリカの団体「The Global Sustainable Tourism Council(グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会)から2022年3月に承認された。実際のプロセスでは、チェックシートへの回答や調査員による現地視察、独立・中立の第三者審査を経て、日本的なSDGsに徹底して取り組んでいると判定した施設に対し5段階で認証を付与する。

琵琶湖マリオットホテル
そして2025年5月、森トラスト・ホテルズ&リゾーツ株式会社の運営する「琵琶湖マリオットホテル」が「Sakura Quality An ESG Practice」における最高評価のひとつである「4御衣黄桜」を取得したことを発表した。この評価の取得は、滋賀県の宿泊施設ではじめて。
「琵琶湖マリオットホテル」のある琵琶湖エリアは京都に程近く、神社仏閣をはじめ歴史や文化に親しめるスポットが多い。一方で自然を体感できるアクティビティでも人気を博しており、幅広いニーズを満たす旅行先として注目されている。
これまで同ホテルは、地域とともにサステナブルな取り組みを継続して実践してきた。例えば、サステナビリティをテーマとした夏ブッフェを開催して子どもの食育に貢献。また地元中学生の職場体験を受け入れたり、地元企業とコラボして琵琶湖を活用したアクティビティを実施したりと、地域社会との交流にも積極的だ。さらに、木製や竹製、減プラスチック製品など環境に配慮したアメニティを採用するほか、琵琶湖岸の清掃にも参加している。こうしたサステナビリティに対する努力と工夫の積み重ねが、今回の「4御衣黄桜」取得につながったといえるだろう。

琵琶湖でのヨットセイリング体験

琵琶湖を中心に、滋賀県ならではモチーフと味わいを楽しめるアフタヌーンティー
観光に関わる企業が地域の人材育成や経済活動を支援することは地域を活性化させ、ひいては観光地としての価値を高める結果となり得る。同時に、地元住民の理解を得た環境では来訪者も地域ならではの伝統文化に触れやすくなり、より豊かな観光体験を実現できるだろう。もちろん、環境負荷を最小限に抑えるための対策も必要だ。
今後の観光業にとって、観光客とその受け入れ地域、自然環境の3者すべてにとって持続可能なバランスを保った観光を提供することが重要になるだろう。
【参照サイト】【琵琶湖マリオットホテル】宿泊施設向け品質認証「SAKURA Quality An ESG Practice」にて4御衣黄桜を滋賀県で初取得
【参照サイト】サクラクオリティに泊まろう|宿泊施設の品質認証制度・品質向上プログラム
【参照サイト】2.2.1 ESGとは何か|令和2年度障害者差別の解消の推進に関する国内外の取組状況調査報告書 – 内閣府
【参照サイト】ブッキング・ドットコム、 2025年版「サステナブル&トラベル」に関する調査結果を発表




















































