
ヴィーガン(完全菜食主義者)を含むベジタリアンが増加しており、2019年の英国のヴィーガン人口は約60万人で(人口の約9%)、ベジタリアン・ヴィーガン向け食品の推定売上高は英国だけで1,000億円以上に上る。ベジタリアンやヴィーガンが拡大している背景には、健康意識の高まりや畜産業界のもたらす環境への悪影響が認識されるようになった点などが挙げられる。
日本でも徐々にヴィーガンやベジタリアンの人口が増え始め、2019年の調査では、ベジタリアンまたはヴィーガンは全体の5.7%、そして週に1回以上、意識的に動物性食品を減らす食生活を送る「フレキシタリアン」は全体の16.8%に達したという。
また、ヴィーガンやベジタリアンだけでなく、健康や美肌に良いとして数年前からグルテンフリーも注目を集めており、食に対する価値観が多様に変化してきているといえる。
そんな中、ダイニングスペース「biotable.(ビオターブル)」が6月8日に東京都港区・田町にオープンした。グルテンフリーやヴィーガンなどに配慮し、大豆ミートと米粉、タピオカ粉などを使って作られたヴィーガン対応のラザニアや、無農薬野菜を使ったパスタなどのメニューが並ぶ。

ヴィーガン対応のラザニア

そば粉の彩りクレープ
これらはヴィーガンだけでなく、ノーマルな食志向の人でも美味しく食べられるという。また、フランス・リヨンでオーナーシェフを務めるフレンチレストラン「Saku」の宮本聖作氏が「biotable.」のメニューの開発を一部監修した。
同店舗がこだわるのは、食材やメニューだけではない。少しでも食品ロスが減らせるよう、さまざまな取り組みを実施していく予定だ。たとえば、生産者の顔が見えるようにし、どのような想いでどのくらい時間をかけて作られた食材なのかを顧客にシェアする。他にも、料理を調理する際に出た食材の食べられない部分はスープやソースの素への加工や、容器を持参すれば、食べ残しを持ち帰ることができるという。さらに、地域コミュニティと連携し、「不ぞろい野菜のマーケット」の開催や、将来的には子供たちの「食育ツアー」などを企画する予定だ。
店舗は風通しの良い川沿いに面しており、開放的な空間が広がる。多種多様な人が集まり、ホームパーティのような場で一緒に楽しめるような空間を目指している。

biotable.の店内
【参照サイト】多様な価値観を肯定するギルティフリーなダイニングスペース『biotable.』が 6月8日、東京・田町にNEW OPEN!
【参照サイト】存在感を増す肉代替食品(英国)英国の市場動向と試食レポート JETRO
【参照サイト】第2回日本のベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン人口調査
【関連サイト】biotable.