世界的な人口増により、食肉や乳製品など動物性たんぱく質の需要の更なる増加が見込まれている。一方で、動物性製品の生産に欠かせない畜産が、広大な土地と多くの水を要し、温室効果ガスの大量排出や水資源の汚染、森林破壊など、世界規模で環境に影響を与えていることが問題視されている。
そうした課題の解決に貢献できると期待されるのが、植物性たんぱく質が摂取できるプラントベース(植物性)食品だ。プラントベース食品を日本の消費者に提供するため、東京都の「ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社(U.S.M.H)」は、アメリカ企業 「BEYOND MEAT, INC.(ビヨンドミート)」と、日本における独占販売契約を締結した。
ビヨンドミートは2009年に創業した、プラントベース食品業界の先進的企業だ。高い生産技術を用いて牛肉、豚肉、鶏肉の代替肉を生産し、欧米、アジア、オセアニア地域で広く事業展開を行っている。
一方U.S.M.H は、自社工場で生産販売するサステナブル志向の野菜ブランド「Green Growers」のラインナップに、ビヨンドミート製品を加える予定。同社の傘下であるスーパーマーケットのマルエツ、カスミ、マックスバリュ関東で、2022年秋頃に販売開始する見込みだ。
「Green Growers」 のブランドコンセプトは、「安心・安全」「健康的」「環境にやさしい」の3つ。ビヨンドミート製品の販売を契機に、環境負荷を低減した商品の提供を一層拡大していく。また、販売に合わせた紹介イベントも開催予定で、詳細は「Green Growers」サイトで確認できる。
マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した調査によると、「代替肉・代替たんぱく質を食べたことがある」と回答したのは2割で、約半数が「食べてみたい」と回答。中でも、代替肉・代替たんぱく質のうち、食べたいと思うものとして最も多かったのは「植物系(大豆ミートなど)」だった。
国内でも知名度が高まりつつあるプラントベース食品。世界的に広く流通するビヨンドミートの日本上陸は、大きな注目を集めるに違いない。
【関連記事】
【参照サイト】 U.S.M.Holdings 米国ビヨンド・ミート社と独占販売契約締結のお知らせ
【参照サイト】 代替肉・代替たんぱく質に関する調査
【参照サイト】 Green Growers