ソーシャルメディアの情報が、人々の購買動向に大きな影響を与えている。2022年5月24日、アメリカのプラントベース食品企業Beyond Meatは、プラントベース(植物性)ミートについてできるだけ多くの人に知ってもらうために、リアリティーショーなどで知名度の高いキム・カーダシアンをチーフ・テイスト・コンサルタントに採用したことを発表した。
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ソーシャライトやモデル、起業家として活躍するキム・カーダシアンは、Instagramで3億を超えるフォロワーを誇るインフルエンサー。2022年6月現在、Instagramフォロワー数の世界ランキングで7位に位置している。今後、自身のソーシャルメディアで同社製品について投稿したり、マーケティングコンテンツの考案に携わる。同社は、セレブリティであるキム・カーダシアンが発信することで、現在の消費者行動がより持続可能な代替食品へ置き換わっていく原動力になることも期待しているという。
アメリカではベジタリアンやヴィーガンを公表する有名人も多い中、なぜ敢えてキム・カーダシアンに依頼したのか?という疑問や、当初同社がInstagramに投稿した動画では製品を食べていないように見えることから批判の声も。同社は後日、実際に製品を口に入れている別の動画も投稿するなど、話題性は十分だったと言える。少なくとも、プラントベース(植物性)ミートに全く興味のなかった層に、同社や製品を知ってもらうきっかけになった、という肯定的な意見もある。
電通が実施した第5回SDGsに関する生活者調査では、実践意欲が高い層の24.4%が「メディアやSNSなどで話題になったSDGsに関する商品やサービスが、興味を持つきっかけになった」と回答した。特に、1990年代半ばから2000年代の初めに生まれたZ世代においては、SDGsに関する商品やサービスに期待することとして、「インフルエンサーが取り上げている」と回答した人が20.6%だった。企業が若年層にアピールするには、インフルエンサーの求心力は無視できないものになっている。
ホテルや飲食店にとっても、ソーシャルメディアでの発信方法は大きな課題の一つ。今回の起用は、有名人やインフルエンサーに広報を依頼する際のメリットとデメリットを改めて考えさせられるものとなった。
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【参照サイト】Beyond Meat Instagramページ