人や社会、環境に配慮した消費活動を指す「エシカル消費」。2021年11月に消費者庁が公開した調査の結果によると、「エシカル消費」に関心があると回答した人は89.6%だった。2020年の調査で「エシカル消費」に関心があると回答した人は59.1%、2016年の調査では35.9%だったことと比較すると、消費者の環境への意識が近年急速に高まっていることがわかる。

そうしたなか、「近畿日本ツーリスト株式会社」は、新しいブライダル事業の取り組みとして、地域経済活性に貢献するウェディングプラン「Belltowa Wedding」を立ち上げ、4つの地域で挙式をする4プランのモニター受付を2022年12月21日より開始した。

プラン名の「Belltowa」とは、フランス語で美しいという意味を持つ「Bell」と永遠「towa」を掛け合わせた造語。大切なゲストだけでなく、「日本全国の美しい景色を永遠に…」をコンセプトに、世界の幸せ、結婚式を支えている生産者の幸せも配慮したウエディングプランだ。

エシカル消費が広く浸透しているヨーロッパ諸国では、カップルが思い思いの場所で結婚式をあげ、地球環境に配慮したおもてなしをすることが流行している。日本でもミレニアル世代、Z世代と呼ばれる新しい世代でこうした結婚式を望むカップルが増加している。一方で、日本でこうしたスタイルを実行しようとすると場所の交渉、様々な機材、資材の手配など大変な労力がかかる。

こうした現状を踏まえ、同社では旅行会社で培った地域との連携、手配力を活かし、喰丸小(福島県)、浜島(沖縄県石垣島)、サントリー登美の丘ワイナリー(山梨県)、千畳敷カール(長野県)の4地域で行うパッケージスタイルの新たなウェディングプランを提案。この4地域は美しい風景を持つ一方で、人口減による地域経済の疲弊やオフシーズンにおける需要喚起への対策が求められるなどの課題を抱えている。

「Belltowa Wedding」では、こうした土地で観光以上に様々な消費を伴う結婚式を実施し、各地域の地産食材や装飾、天然素材アイテムを使用することで、環境に配慮しながら地域創生に貢献できるウエディングプランを提案している。

近年、消費者の環境意識の向上に比例して「エシカル消費」の需要が高まっているなかで、今回のウェディングプランは、お客さまだけでなく、環境や結婚式を影で支える生産者にもメリットがある。運営する側としても、エシカルであることを新たな付加価値としてPRすることができそうだ。

【参照サイト】消費者庁:外食及びエシカル消費に関する 意識調査結果
【参照サイト】消費者庁:エシカル消費(倫理的消費)に関する 消費者意識調査報告書の概要について
【参照サイト】エシカルウェディングプランを選べるブランド「Belltowa」開始 幻の島、雲上、木造校舎、絶景ワイナリーの4プランをモニター価格で募集

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