2021年3月に閣議決定された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が、来年2022年4月から施行される。法律の対象製品となるプラスチック製のカトラリー類やホテルのアメニティ、ハンガーなどに対し、各メーカーが環境に配慮した商品を取り扱うようになってきた。一方で、サステナブルな商品は「エコ」「オーガニック」を全面に押し出したナチュラルなデザインのものが多く、もっとラグジュアリーで高級感のある商品を求めている人も多いのではないだろうか。

そうしたなか、2021年11月に飲食店向けに業務用品の販売を行う株式会社アステップが、歯ブラシの柄に漆塗を施したラグジュアリーな竹歯ブラシ「Bamboo Toothbrush」の販売を開始した。一般小売価格は1本あたり¥200(税別)で、10本セットより販売する。

アステップでは、かねてからOEMを請け負い、竹歯ブラシの製造を行っていた。Bamboo Toothbrushはその技術を活かして開発・製造した自社ブランド商品だ。

竹は、成長の速さと二酸化炭素を吸収する能力の高さから、プラスチックや木材の代替資源として注目を集めている。竹とラタンの国際機関「INBAR」の発表によると、竹は植えてから最初の5年間は針葉樹・広葉樹よりも二酸化炭素を多く吸収するという。しかし、一度濡れてしまうとカビが生えやすいというデメリットがある。対策としては、防カビ剤の使用が一般的だが、アステップでは「口に含むものに対して薬剤の使用は回避したい」という考えを大事にしている。そこで、徹底した洗浄と紫外線による殺菌処理を行い、竹に寄生する虫や雑菌を取り除き、含水率を7%以下にすることで、製品として保存可能な商品に仕上げた。この技術は独自技術として特許登録されている。

また、多くの竹歯ブラシがブラシ部分にはプラスチックを使用しているなか、Bamboo Toothbrushは、植物由来樹脂である「ナイロン610」製のブラシを使用している。このナイロン610は、ヒマシ油を精製して生産されたセバシン酸62% と、ヘキサメチレンジを合成して作られた、環境配慮型のナイロンポリマーだ。

本体の柄の部分には刻印を入れることができ、箱もホテルオリジナルのデザインに仕上げることが可能だという。また、Bamboo Toothbrushはホテル向きのシックなモノトーンカラーの個包装商品だが、12色の漆塗りのカラーバリエーションから、ホテルのイメージカラーを選ぶなど、カスタマイズすることも可能だ。

プラスチック資源循環法成立の影響で、プラスチック代替え商品の市場拡大にますます拍車がかかっている。環境のためにプラスチック製品を“選択しない”ことよりも、選択肢を増やすことで、各々のホテルの姿勢やお客さまに合わせて“選ぶこと”が大切なのではないだろうか。

【関連記事】 「プラスチック資源循環法」が成立。使い捨てスプーンなど有料化へ

【参考サイト】 ラグジュアリーホテルのアメニティ。SDGs問題に備えるホテルを応援する竹で作ったプレミアムな歯ブラシ
【参照サイト】 INBAR「Bamboo and Climate Change Mitigation」

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