近年、観光業界では「エコツーリズム」へシフトする事業者が増えてきている。エコツーリズムとは、地域の自然や文化を保全しながら、観光旅行者に伝え、体験しながら学ぶ仕組みのこと。コロナ禍で、旅行のあり方を見つめ直す機会が多くなったことも起因するが、実は2013年から環境省により「エコツーリズム推進法」の基本方針が示され、翌年に施行されている。SDGs がスタートした2016年より前から重視されてきた「環境への配慮」は必須事項になりつつある。
そうしたなか、2022年1月に法人用オリジナルグッズの製造を手掛けるアイグッズ株式会社が、ホテル旅館に関する旅行者の意識調査を公表した。「環境に配慮している宿」については全体の71.1%の旅行者が好印象と回答。また、年に6~10回以上旅行をするリピーター層では地球に配慮した消費である“エシカル消費”を「とても意識している」「意識している」人が約74.7%にも及んだ。
この調査は2021年12月24日、25日の2日間で1,101名を対象にインターネット上にて実施された。宿の選定基準としては「値段」、次いで「ホテルグレード」が重視されたことに加え、リピーター層では「ホスピタリティ」を求める割合も約69.2%と高かった。
また、アメニティについては「家に持ち帰られるグッズ・質の良いバスグッズ・無料の飲食提供」において、どのカテゴリも大幅に人気の差はなかったものの、リピーター層は無料の飲食提供よりも持ち帰られるグッズや質の良いバスグッズの人気が高く、「宿泊時に実際使用するグッズ」に特に注目していることが明らかになった。
ホテルの人気を維持する上で、重要になってくるリピーターの獲得。いかにお客さまを満足させるかが鍵になってくる。今回の調査結果から、環境配慮やホスピタリティといった項目がリピーター層の心を掴むことが伺える。印象に残るホテルブランディングには「人にも環境にもやさしい」ことがポイントとなるといえるだろう。
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