来店客数が読めず、食材の仕入れ予測に手を焼いた経験はないだろうか。予測が大きく外れると、仕入れ超過による食品ロスや、逆に仕入れが少なかった場合の売り切れによる機会損失などが起こりうる。FAO(The Food and Agriculture Organization)の報告書によると、農業生産から消費に至るフードチェーン全体で、世界の生産量の3分の1にあたる約13億トンの食料が毎年廃棄されているという。
そうしたなか、株式会社ROXは、来店客数や販売数を予測するサービス「AI-Hawk」を開発し、新たに混雑予想カレンダーのサービスを追加した。
AI-Hawkは飲食店や小売店から提供された過去の実績データや天気データ、店舗所在地の情報のほか独自開発のデータから来店客数や販売数を予測するサービスだ。利用者はスマートフォンやパソコンからアクセスして、予測したい日と「客数」「売上」などの項目を選択すると、予測数値やグラフ化されたデータを得ることができる。予測期間は45日先まで設定が可能だ。
1店舗につき月額10,780円(税込)から利用可能で、 料金プランのいずれかを契約すれば、追加料金なしで混雑予想カレンダーのサービスを追加することができる。カレンダーは、日付や時間帯ごとに混雑基準によって5段階に色分けされているため、視認性が高い。ホームページやSNSに掲載することで、従業員だけでなく来店客にとって「密」を避ける目安にもなりうる。
同社での予測精度や予測値の保証は行っていないが、某レストランチェーン店20店舗において、1ヶ月に渡る来客数予測と実際の来客数を精度検証したところ86%の予測精度だったという。また、食材廃棄 55% 減少したり、シフト作成時間が従来の4分の1へ縮小するなどの導入効果も出ているという。
AI-Hawkの混雑予想を利用することで、食材の仕入れやスタッフの配置が適正化され、結果的に売上の向上も期待できる。また、仕入れの見込みやシフト作成にかかっていた時間も削減できるというメリットもある。これまで人手がかかっていた部分をAIに任せることで、人間にしかできないサービスを充実させることもできるのではないだろうか。